- 科名
- バラ科
- 学名
- Alchemilla mollis
- 別名
- レディース・マントル
- 原産地
- ヨーロッパ東部~小アジア
- 大きさ
- 20cm~60cm
- 主な開花期
- 5月~6月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名。A.はAlchemillaの略
アルケミラは北半球の温帯に約200種が知られています。日本にも高山植物のハゴロモソウ〔A. japonica〕が自生しますが、一般に栽培されることはありません。また、一部の種がレディース・マントル(lady's-mantle:聖母マリアのマント)の名前で、ハーブとして利用されています(葉をお茶や湿布としてして利用。モリスには薬効はないとされる)。
最もポピュラーでよく栽培されているのが、アルケミラ・モリス(以下、モリス種)です。縁に細かいギザギザが入る円形の葉を付けます。葉は長い葉柄がありますが、茎の植えに付く葉は葉柄がなく、茎を抱くようにつきます。葉色は灰色がかった明るめの緑色で全体にゆるく波打ち、やさしげな雰囲気を持ちます。葉や茎には軟毛が密に生え、種小名のモリス(ラテン語で『軟毛がある』の意)はそこに由来するのでしょう。雨上がりや水やり後、葉に残った水のしずくがキラキラ光る姿が素敵です。
開花期は5月~6月です。葉の間を突きぬけるように花茎を長く伸ばし、上部が細かく枝分かれして、緑黄色の小さな星形の花をたくさん咲かせます。
園芸品種に大型種や小型種があります。葉をたくさん出してこんもりと茂るので、グランドカバーに向きます。また切り花に利用することもできます。冷涼な気候を好み、寒冷地では放任でもよく茂ります。逆に暖地や平地では夏の暑さでいつの間にか絶えてしまうこともあります。
名前の由来
アルケミラの名はアラビアでの呼び名’alkemelych’に由来するとか、’alchemy’(錬金術)に由来するなど諸説があります。
育て方
- 高温多湿が苦手、風通しを良くする
- 水切れを嫌う、乾燥に注意する
- 深植えせず、浅めに植える
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月 / 10月~11月 |
---|---|
肥料 | 4月中~5月中 / 9月中~10月 |
日常の手入れ
株が蒸れないように、枯れた葉はこまめに取り除きましょう。
日当たり・置き場所
日当たり~半日陰の場所で育ちます。やや暑さを嫌がるので、寒冷地以外では一年を通して明るい日陰が良いでしょう。また、高温多湿では蒸れて葉が枯れ上がってしまうので、風通しの良い環境が大切です。
耐寒性は強いので、特に防寒対策は要りません。
水やり・肥料
乾燥を嫌います。土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。根を乾かすと、その後の生育が悪くなるので特に夏場は気をつけます。
肥料は春、生長はじめる頃と、秋に暑さが落ち着く頃に薄めた液体肥料を月1~2回程度与えます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
用土
水はけがよくて、腐葉土や堆肥などの腐植質がたくさん入った土を好みます。赤玉土と鹿沼土(いずれも小粒)を同量に腐葉土を3割ほど混ぜた土などが適しています。乾燥を嫌いますが、水が停滞する場所でもよく育ちません。水はけは大切です。
植え付けと植え替え
作業の適期は芽を吹く直前の3月か、暑さの過ぎる10月~11月です。
植え付け
根が横に広がるよう、浅めに植えるのがコツです。植え付けたあとは根を乾かさないことが大切です。乾燥防止に株元を腐葉土などで薄く覆って、たっぷりと水を与えます。
植え替え(株分け)
大株になると生育が株の周辺に偏って中心部分の茂り方が頼りなくなり、株姿が悪くなります。株分けを兼ねて植え替えを行いましょう。
大株は何本も花茎が立ち上がって見事ですが、夏に枯れやすいです。株を小さめに保つために1年おきに株分けしても良いでしょう。そのほうが、夏越ししやすいです。 株分けは掘りあげた株の土をよく落とし、株元当たりの茎(芽)の位置を確認しつつハサミを入れ、ざっくりと分けます
ふやし方
タネまきと株分けでふやすことができます。
タネは冬の低温に一定期間晒され、その後暖かくなると発芽するようです。 株分けはひとつ上の「植え付けと植え替え」を参照に。
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サラダバーネット
バラ科 難易度★☆☆☆☆
名前の通り葉(若くて柔らかいもの)をサラダに利用できるハーブで、キュウリのような風味があります。