育て方はこのページの下
- 科名
- ユリ(シュロソウ)科
- 学名
- Trillium
- 用途など
- 鉢植え
- 開花期
- 4月~5月
- 大きさ
- 10cm~40cm
- 耐寒性
- つよい(根の凍結に注意)
- 難易度
- ★★★★☆(ややむずかしい)
育て方
- 肥料は適期にしっかりと
- 花後は直射日光を避ける
- 夏はできるだけ涼しい場所へ
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 10月下~11月 |
---|---|
肥料(固形) | 4月 |
肥料(液体) | 6月~7月 / 9月 |
日常の手入れ
春(3月~4月)に芽を出し初夏(4月~5月)に花を咲かせて、晩夏から秋(8月~9月)に葉が枯れて冬の間は休眠します。春~秋の生育期にしっかりと肥料を与えてスタミナのある株に仕立てるのがポイントです。生育期間中はできるだけ葉を傷めずに維持することも大切です。
日当たり・置き場所
春に芽が出て花が咲くまでの間はよく日の当たる場所に置きます。その後は直射日光を避けて明るい日陰に置きます。夏はできるだけ涼しい場所が適していますが、強い風に当たると葉や茎が傷んでしまうので気をつけましょう。寒さには強いですが、凍らせてしまうと根が傷みます。休眠期は雨の当たらない棚下などがよいでしょう。
葉を長く維持する
葉を傷めずにできるだけ長く生きている状態をキープすることが地下茎を太らせる上でも大切です。茎葉は折れたり傷んだりしやすいので、強い風の当たる場所は避け、水やりの際は勢いよく葉にかかるらないようにするなどの注意が必要です。
水やりと肥料
乾燥させると株が傷みますが、過湿にすると腐ります。水はけのよい土を用いるのが第一ですが、基本は土の表面が乾いたらたっぷりと与えることです。特に真夏は水切れに気をつけます。冬は休眠していますが、地下茎は緩やかながら根を出し生育していますので、10日に1回程度水を与えます。
しっかり肥培する
肥料は固形肥料と液体肥料を使い分けます。肥料を適宜与えてしっかりとスタミナを付けさせることを「肥培する」と言いますが、エンレイソウは肥培が大きなポイントです。スタミナ不足の株では成長にも開花にも影響を与えます。かといって、過剰に与えると株が傷むこともありますので、与え方や量(濃さ)が要となります。
固形肥料は春の芽出しの頃(3月~4月)に適量、土の表面に置きます。油かすと骨粉の混ざった有機肥料が適しています。
花後は梅雨時期(6月~7月)は液体肥料を10日に1回、水やり代わりに与えます。真夏は暑さで弱るので肥料はストップし、秋に気温が下がってきたら(9月いっぱい)同様に液体肥料を与えます。ただし、秋前に葉が枯れてしまったら、休眠に入った証拠なので与えません。同時期、葉っぱにも霧吹きなどでまんべんなく液体肥料をかけます(葉面散布、といいます)。葉面散布は20~30日に1回が目安です。液体肥料は「薄めをこまめに」がポイントとなります。
以上のように生育期は薄めの肥料を根と葉から吸収させます。液体肥料は通常の草花に与えるより2倍程度薄いものを用います。通常1000倍希釈のものなら、2000倍です。これは、濃い肥料で植物が傷むのを防ぐためです。
適した土
水はけが良く、有機質の入った土が適しています。一例として、鹿沼土4:赤玉土(小粒)2:腐葉土2の割合で混ぜた用土が適しています。
植え替え・植え付け
植え替え、植え付けは葉が枯れて休眠に入った頃(10月~11月)が適しています。植え付ける鉢の大きさは地下茎の大きさにより異なりますが、深めの4号(直径12cm)~6号(18cm)の鉢を用います。
ふやし方
タネまきと株分けでふやすことができます。
タネは自分で育てている株から採取してまきます。9月~11月頃がタネまきの適期です。発芽しても、花が咲く大きさの株になるまでは10年以上かかります。
地下茎が大きくなった株は株分けでふやすことができます。ただし、エンレイソウの地下茎はよほどしっかりと肥培しないと大株にならないので、ひんぱんに株分けはできません。小さい地下茎を細かく分けてしまうと、株がスタミナ切れを起こし数年間花を見られなくなることもあります。
かかりやすい病害虫
病気:地下茎が腐る病気 害虫:ハダニ
さほど多くは見られませんが、気温が高くて乾燥する時期にハダニが発生することがあります。また、過湿状態にすると病気になって地下茎が腐ることもあります。適宜、殺菌剤・殺虫剤を散布して予防します。
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ユリ科 難易度★★★☆☆
日本でも馴染みの深い植物。夏の暑さと乾燥に弱く、そこが栽培のポイント。