- 科名
- マメ科
- 学名
- Styphonolobium japonicum
(= Sophora japonica) - 別名
- 槐(漢字表記)
- 原産地
- 中国
- 大きさ
- ~25m
- 主な開花期
- 7月~8月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
中国北部原産の落葉性樹木で、生長すると高さ25m直径70cmの大木に育ちます。中国名は槐樹、日本へは仏教の伝来とともにやってきたと言わており、その栽培の歴史は古くてあたかも日本に自生していたような感じさえ受けます。
葉っぱはだ円形の小さな葉が羽のように並ぶ羽状複葉です。主な開花期は7月-8月で花の形は蝶型、黄緑色の小さな花が枝からぶら下がるように円錐状にまとまって咲きます。花後にできる果実は莢が中のタネごとにくびれており、数珠つなぎのような姿がおもしろく、秋に熟すと表面が光沢のある飴色になります。樹皮は白っぽい灰色で縦に細かく裂け目が出来ます。
用途・由来
大気汚染にもある程度強く街路樹や公園樹として利用される樹木で、庭木ではあまり見られません。中国では縁起の良い木として知られています。
材は建築材料、樹皮や莢は染料、つぼみは乾燥させて薬になります。
エンジュの語源は古い言葉での呼び名「えにす」に由来します(「えにす」は別種のイヌエンジュのことを指すとも言われています)。
種類・近い仲間
エンジュを含むマメ科ソフォラ属は世界に約50種が分布し、日本にはクララ(S. flavescens:目が眩むほど根が苦いのでこの名前がある)1種が自生します。ちなみにクララは木ではなく草です。
変種に樹高3m-5mで枝がしだれるシダレエンジュがあります。中国では龍爪樹とよばれ、エンジュ同様に縁起の良い木として扱われます。落葉期の冬は枝振りがしっかりと見え、その姿がおもしろいです。
姿の似たものに日本原産のイヌエンジュ〔Maackia amurensis〕がありますが、属が異なり縁はさほど近くないです。
育て方
- 日当たりの良い場所、湿潤で肥沃な土壌が適する
- やせ地でなければ肥料は必要ない
- 枝を切る作業は落葉期、芽吹く直前が適する
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月下~4月上 |
---|---|
剪定 | 3月下~4月 |
肥料 | 6月下~7月上 / 8月下~9月上 |
日常の手入れ
自然の樹形が美しく、放任でも姿はあまり乱れずよくまとまります。スペースに余裕があれば、株元や幹から出てくる枝を付け根から切り落とし、細かい枝を整理する程度のメンテナンスで充分です 。
芽吹く力は強いのでばっさりと刈り込むことは可能ですが、本来の樹形は損なわれます。剪定の適期は芽吹く直前3月中旬~4月が適期です。
のびのびと育てる空間があるなら、手間のかからない樹木とも言えます。
日当たり・置き場所
日当たりがよく、やや湿り気のある土壌を好みます。
水やり・肥料
極端なやせ地でない限り、肥料は必要ありません。ただし、肥料不足になると葉色がてきめんに悪くなるので、開花前や開花後に少量の鶏糞を施してもよいでしょう。
かかりやすい病害虫
特に深刻なものは見られません。
植え付けと用土
植え付けの適期は3月下旬から4月です。ひどく乾燥する場所でなければ土質を選びませんが、堆肥や腐葉土のたっぷり入った腐植質に富んだ土を好み、やや湿潤で水はけのよい土壌が適しています。
根がやわらかくて折れやすく、水や栄養を吸う細根が少ないので成木は根付きにくいです。植え付けるなら小さな苗のほうがよいです。
ふやし方
タネまきでふやします。秋に莢が熟したら採取してタネを取り出して貯蔵しておき、翌春の3月中旬頃にまきます。タネはまく前に一晩水につけて吸水させます。
また、シダレエンジュはエンジュを台木に接ぎ木をしてふやします。低い位置で接ぐ「低つぎ」と、高さ3mくらいの位置で接ぐ「高つぎ」の2つの方法があります。適期は3月中旬から下旬です。
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キングサリ
マメ科 難易度★★★☆☆
黄色い藤のような花を咲かせる花木でキバナフジの別名もある。