- 科名
- マメ科
- 学名
- Laburnum anagyroides
- 別名
- ゴールデン・チェーン キバナフジ
- 原産地
- ヨーロッパ中南部
- 大きさ
- 3m~10m
- 主な開花期
- 5月~6月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
ヨーロッパ中南部原産の落葉性小高木で、5月~6月頃に2cmほどの大きさの蝶に似た形の花を房状に付けます。花は枝から下に向かってぶら下がるように咲き、ぱっと見は「黄色い藤」といった感じです。房の長さは種により異なり30cm-70cm前後、花は鮮やかな黄色で美しく非常に目を惹きます。葉の形は、長い柄が伸びその先端に小さな葉を三枚付ける三出複葉(さんしゅつふくよう)です。花後は花穂にたくさんの鞘がぶら下がります。
ヨーロッパでは一般的にみられる花木で、冷涼な気候の土地では大木に育ちます。キングサリには全体にアルカロイドが含まれており有毒植物とされています。同じマメ科のエニシダとは近縁です。属名のラブルヌムは古代ラテン語に由来します。
種類
〔〕内は学名、L.はLaburnumの略
アナギロイデス〔L. anagyroides〕
最も広く栽培されている種で、一般的には本種を指してキングサリと呼びます。樹高10m、花房は長さ約20cmと短いですが、花は大きくボリューミー。園芸品種も多く、春~夏まで葉が新葉の色-黄緑色-をキープするアウレウム〔'Aureum'〕や樹形がコンパクトなエレクト〔'Erect'〕、コンパクトで枝がしだれるペンドゥルム〔'Pendulum'〕などがある。
アルピヌム〔L. alpinum〕
花房が70cmにもなります。
ウォータレリ〔L. ×watereri〕
アルピヌムとアナギロイデスが交雑した種。園芸品種に小輪で花付きの良いフォシー〔'Vossii'〕があります。
育て方
- 寒さに強いが高温多湿がやや苦手
- 肥料はチッソ分を控えめに
- 剪定は不要な枝を切り落とす程度に
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月~4月上 / 11月下~12月上 |
---|---|
剪定 | 2月~3月 |
肥料 | 2月 / 5月下~7月上 |
日常の手入れ
剪定
木が若いうちは株元から勢いよく伸びる枝や、幹の途中から出てくる間延びした長い枝が出やすいので、早めに付け根から切り取ります。混み合って枝が重なった場合は枝先を切り詰めます。不要な枝を切り落としておけば後はあまりに樹形を整えなくても自然に形よくまとまります。
大きくなった木は枝を短く切り詰めるのは避け、風通しと採光をはかるために混み合った部分の枝を間引く程度にとどめます。
花芽は今年の春に伸びた短い枝に7月頃に作られるので、夏以降に枝を切る作業は避けましょう。
支柱を立てる
枝葉はよく茂りますが、それに対して幹が太るのが遅いので、幹が枝葉を支えきれずに風の強い場所では倒れたり曲がってしまう場合があります。はじめのうちは支柱を立てて支えてあげましょう。
日当たり・置き場所
適湿で肥沃な土壌を好み、午前中は日が当たり午後から日陰になるような場所が適しています。地面がひどく乾燥しする場所や、日の射さない日陰、やせ地ではよく育ちません。
寒さには強い方ですが乾いた冬の風に当たると枝枯れを起こしやすいので気をつけましょう。高温多湿に弱いので、夏はできるだけ気温の上がらない場所が適しています。日本では関東より北の寒冷地での植栽に向いた樹木と言えます。平地や暖地でも育ちますが、寒冷地ほど立派な木に育たないことも多いようです。
水やり・肥料
肥料は2月頃株元に堆肥を施し、花後に化成肥料を少量施します。チッソ分の肥料が多くなると枝葉はよく茂りますが花付きが悪くなるので、リン酸やカリを主体とした肥料を与えましょう。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
3月~4月、11月~12月が植え付けの適期です。関東より北の地方での秋植えは寒さで枝枯れしやすいので避けます。基本的に寒さには強いので北海道南部から九州まで植栽可能です。
あまり移植を好まない樹木なので、苗木を地植えにする場合は場所を充分考えます。大きくなってから掘り上げて他の場所に移動させても根付きにくいからです。移植の限度は5年~6年生の若木までと考えた方がよいでしょう。
ふやし方
さし木でふやします。
作業は3月中旬が適期で前年伸びた枝の中から充実したものを選んで15cm~20cmの長さに切り用土を入れた鉢に挿すか、庭に直接挿します。乾かさないように管理すると秋には十分な大きさに生長するので鉢に挿したものは翌春に植え付けを行います。