ハマナスの育て方
- 科名
- バラ科
- 学名
- Rosa rugosa
- 別名
- ハマナシ
- 原産地
- 東アジア
- 大きさ
- 高さ1m~1.5m
- 主な開花期
- 4月~7月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名、R.はRosaの略
東アジアに分布する落葉性低木でバラの仲間です。日本では、北海道、茨城県より北の太平洋側や鳥取より北の日本海側の海岸に自生しています。春に芳香のある一重でピンク色の花を咲かせ、その後直径2cmほどの果実を付けます。果実は秋になると赤く熟し非常に美しいです。
トゲがびっしりと付く枝は斜め上方向に伸びて灌木状に茂り、高さは1.5m、株張りも1.5mほどになります。果実は生食でき、ジャムや果実酒にも利用されます。一説にはもともと「ハマナシ」と呼ばれていたものが訛って「ハマナス」となったといわれています。ハマナシの名前は梨のような実を付けるところに由来します。
花色や咲き方の違う品種が多く知られます。代表的なものに、シロバナハマナス〔R. rugosa f. alba = R. rugosa 'Albiflora'〕(白花一重咲き)、シロバナヤエハマナス〔R. rugosa f. alboplena〕(白花八重咲き)、ヤエハマナス〔R. rugosa f. plena〕(八重咲き)、コハマナス〔R. ×iwara〕(ノイバラとハマナスの雑種、花が小さい)などがあります。他にも色々ありますが、素性のわからないものも多くあります。
画像
育て方
- ・肥料は冬と夏の年2回
- ・高温多湿に少し弱い
- ・枝はあまり短く切り詰めない
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 2月~3月 / 10月~11月 |
---|---|
剪定 | 1月~2月 |
肥料 | 2月~3月 / 7月~8月 |
日常の手入れ
剪定
株元からシュート(若くて勢いのある太い枝)が伸び、枝分かれしてその先に花を咲かせます。
剪定を行う時期は休眠期の1月~2月です。込み合った部分や枯れた枝、細い枝を切り落とす程度で、あまり短く切り詰めすぎないようにしましょう。
数年経った枝は表面が木質化(木の表面のようにゴツゴツした感じ)して成長も衰えますので、根元から切り落として若い枝に栄養がまわるようにします。
果実を鑑賞、収穫するのであれば花後の枝を切り落とさないようにしましょう。
日当たり・置き場所
一年を通しよく日が当たり、水はけの良い土であれば特に問題なく育ちます。また、耐寒性は非常に強いですが夏の高温多湿が少し苦手なので、できるだけ風通しのよい涼しい場所を選びましょう。
水やり・肥料
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。地植えは特に水を与える必要はありません。
肥料は寒肥(2月~3月)とお礼肥(7月~8月)を1回 ずつ施します。肥料は緩効性(かんこうせい:ゆっくりと効き目がでる)化成肥料を株元に適量与えます。寒肥は春に成長をはじめたときに根がスムーズに肥料を吸収できるよう冬の間に施しておく肥料、お礼肥は花が咲き終わった後、消耗したスタミナを回復させるために施す肥料です。
かかりやすい病害虫
春~夏にかけてアブラムシが発生します。見つけ次第殺虫剤を散布して駆除します。
ふやし方
3月にさし木でふやします。前年伸びた枝を10cmほどの長さに切り、鹿沼土や赤玉土に挿します。
タネから育てる場合、秋に赤く熟した果実を採取してタネを取りだし、乾かさないように湿らせた砂と混ぜてから冷蔵庫で保存します。4月に入り暖かくなったら、赤玉土を入れた育苗箱や平鉢にタネをまきます。冷蔵庫で保存するのは、3℃前後の温度に3ヶ月合わないとタネが休眠から覚めないからです。接ぎ木でもふやすことができます。