ヒオウギの育て方

扇のように広がる葉、鮮やかな花

アヤメ科 「ひ」からはじまる植物

ヒオウギ
この植物の解説

育て方はこのページの下

科名
アヤメ科
学名
Belamcanda chinensis
用途など
庭植え 鉢植え
大きさ
高さ50cm~1.2m
耐寒性
ふつう
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)
メモ
日当たりの良い、やや湿り気のある場所を好む

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え替え・株分け 9月~10月 (寒冷地:4月~5月)
肥料 4月~8月

日常の手入れ

環境さえ合っていれば、ほおっておいてもよく育ちます。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好み日陰ではあまりよく育ちません。しかし西日などの強烈な日に当たると弱りますので気を付けましょう。半日くらいは日がよく当たって、あとはやや日陰になるような場所が環境としては一番適しています。

20℃前後の時に一番よく育ちますが、耐寒性も耐暑性もあるので特に気を使う必要はありません。

水やりと肥料

やや湿り気のある環境を好みますが過湿にすると枯れてしまいます。ヒオウギは過湿や排水不良によって枯らすことが時々あります。かといって乾燥させてしまうと葉が黄色くなり、元気がなくなってしまいます。それらを解消するためにはやや湿り気を保ちなおかつ水はけの良い土質を選ぶことが大切です(具体的には「用土」の項を参照に)。土の表面を触ってみて乾いているようならたっぷりと与えるようにしましょう。夏は乾きやすいので乾きかけたら水を与えるようにします。

肥料は植え付ける際にゆっくりと効く粒状の肥料を土に混ぜ込んでおきます。有機質の多く含んだ肥えた土なら追肥はさほど与えなくてもよく育ちますが、生長があまり芳しくないときは春~夏の生育期に、液体肥料をときどき与えます。極端に生長が悪いとき(葉が枯れてきて生長が止まっているなど)は、別に原因がある可能性が高いので、肥料は与えない方がよいでしょう。


適した土

水はけがよく保水力があり腐葉土などの有機質を多く含んだ肥えた土が適しています。庭植えにするなら、水はけの良い場所を選ぶことがヒオウギを育てる上で大切なポイントとなります。粘土質などの水がたまりやすく排水不良をおこす可能性の大きい土質では過湿になりすぎて枯れてしまいます。

水はけがよく保水力がある土にするために植え付ける場所に腐葉土を混ぜ込んでおくと良いでしょう。また、酸性の土をいやがるので中和するための石灰も混ぜ込んでおきましょう。石灰は植え付ける2週間くらい前には混ぜておきましょう。

鉢植えにする場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土を使うとよいでしょう。

植え替え・植え付け

植え替えの適期は9月~10月です。寒冷地では4月~5月頃が適期です。

庭植えの場合、環境が良ければ(水はけがよい土で半日くらい日の当たる場所)一度植え付けると3~4年は植えっぱなしでもよく育ちます。しかしだんだんと株が増えて混み合ってきて生育が衰えますので、その時は株分けも兼ねて植え替えをします。

鉢植えの場合は、鉢の底から根が見えてくるようなら、鉢の中が根でいっぱいになっている証拠なので一回り大きな鉢に植え替えます。それ以上鉢を大きくしたくない場合は株分けをします。

ふやし方

株分けとタネをまく方法があります。株分けは3~5芽を一株としてナイフで株元を切り分けます。1株を3芽以下にすると細かすぎて翌年の花が咲きにくくなりますので注意しましょう。株分けの適期は9月~10月です。

タネは販売されていないので自分の家でできたものを採取してまきます。9月の中旬にタネが熟した場合は採取してすぐにまきます。8月頃に熟したタネは乾燥させないようにバーミキュライトや砂とともに袋に入れて冷蔵庫などで保存しておき、9月の中旬頃にまきます。タネは乾燥させると発芽率が悪くなります。翌々年には花を咲かせるまで生長しますが、親株に比べると、質の悪い株も出てきます。色々な点で株分けのほうがより簡単で確実な方法といえるでしょう 。

かかりやすい病害虫

軟腐病にかかることがあります。

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