美しくそして渋く、かつ奇妙
フラグミペディウム
科名:ラン科学名:Phragmipedium原産地:中央~南アメリカ草丈:30cm-1m開花期:種により異なる栽培難易度:
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フラグミペディウムとは
メキシコ~ペルー・ブラジルにかけておよそ15種類が分布する常緑性のランです。岩肌や樹木などに張り付かせて着生するほか、地面に根を下ろして地生するものもあります。花の一部が袋状にふくらんだ姿がユニークで、見た目は同じラン科のパフィオペディラム(以下、パフィオ)にうり二つです。
パフィオがランの中ではメジャーで、数多くの交配種(人工的に掛け合わせて作られた品種)があるのに比べると、その数は少なくてややマイナーな感じも否めません。ただし、パフィオにはないピンクや朱色の可愛らしい花を咲かせる種もあり、魅力の点では引けをとりません。
名前はフラグマ(隔壁)とペディロン(スリッパ)に由来します。子房(雌しべの下の膨らんだ器官で果実になる部分)が隔壁によって3室に分かれていること、花びらの一部(唇弁)がスリッパのように袋状になる姿から来ています。ラベルなどに記載する際の略号は「Phrag.」です。
細長い葉を左右交互に出しながら成長していきます。葉は表面に光沢がを持ち、やや厚みがあります。茎は極端に短くて葉の間に埋もれています。開花期は種により異なり、不定期に咲く種もあります。葉の付け根あたりから花茎を伸ばして、その先端に2輪~多数の花を咲かせます。草丈は30cm~大型種では1mを越します。
仲間
ベッセアエ〔Phrag. besseae〕
ペルー北部に分布します。1本の花茎から1~数輪の花を1輪ずつ咲かせます。花は幅7cm前後で全体的に丸っこい姿です。花色は赤みの強いオレンジ色で非常に鮮やかです。主な開花期は夏です。
ハートウェギィ〔Phrag. hartwegii〕
エクアドルに分布します。花の大きさは幅8cmほど、色は淡い黄緑色で紫色の筋が入ります。
カウダツム〔Phrag. caudatum〕
グアテマラ、ベネズエラ、ペルーに分布し、主に岩の上などに自生ます。花びらが40cm~50cmに伸びて垂れ下がる姿は奇異です。
シュリミィ〔Phrag. schlimii〕
コロンビアに分布、岩の上などに自生します。花の大きさは幅4cmほど、1本の花茎に5~10輪咲かせます。花色は淡いピンクで可愛らしいです。
セデニー〔Phrag. Sedenii〕
1873年に登録された古い交配種です。淡いピンクの可愛らしい花です。1本の花茎に多くの花を付け、一輪ずつ咲きます。ロンギフォリウム〔Phrag. longifolium〕×シュリミィ〔Phrag. schlimii〕。
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