- 科名
- ヒガンバナ科
- 学名
- Lycoris sanguinea
- 別名
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- 見られる場所
- 雑木林の中やその縁辺 など
- 草姿
- 直立
- 草丈
- 30cm~50cm
- 主な開花期
- 8月~9月
こんな植物です
見られる場所・季節
日本の東北より南の地域に自生する球根植物です。雑木林の中やその縁辺、日の強すぎない北側の傾斜地、里山や神社の境内などでよく見かける夏咲きの野草で、関西平地ではお盆頃によく見られます。お彼岸頃に真っ赤な花を咲かせるヒガンバナと同じ仲間(リコリス属)で性質も似ています。
見た目
早春から初夏にかけて地際から帯状の葉をたくさん茂らせ、夏になると葉が黄変して枯れます。8月の中頃に花茎を30cm~50cm伸ばして、その先端に赤オレンジ色の花を数輪咲かせます。葉っぱのない状態で地中(球根)からにょっきりと花茎を伸ばすので、地面からいきなり花が咲いたように錯覚させられます。葉っぱだけの時期は案外気づかないものです。
タネがよくできて、球根も増えるので群集していることが多いです。球根は径3cm~4cmで、一概には言えませんが、先端の首部分が長く伸びたイチジク浣腸のような形をしたものが多いです。
名前の由来・その他
おもしろい名前ですが、これは細長い葉っぱをカミソリに見立てて付けられたと言われています。なぜキツネと付くのか、キツネが生息するような場所に自生するのか、キツネが使いそうなイメージからなのか、それは憶測の域を出ません。葉がない状態でいきなり花がにょっきり伸びてくる姿が、キツネに化かされたようだからという説もあります。どれもユニークでおもしろいと思います。種小名のサンギネアは『血のように赤い』の意で、おそらく花色に由来するのでしょう。
上ノ入遺跡(神奈川県平塚市)からは、キツネノカミソリと思われる炭化した球根が出土しており、縄文時代には食用にされていたのではないかとも言われています。球根は良質のデンプンを含有しますが、毒性のある物質も含まれており、普通そのままでは食用にできません。
その他の仲間
変種に西日本に多く見られるオオキツネノカミソリ〔var. kiushiana〕や対馬・長崎・宮崎のごく限られた地域や朝鮮半島に分布するムジナノカミソリ〔var. koreana〕があります。雄しべの長さ納屋花の大きさなどで区別するそうですが、見た目は似通っていてぱっと見での判別はむずかしいように感じます。
キツネがあれば、タヌキもあると言うことで、同じヒガンバナ類の別種にタヌキノカミソリ〔Lycoris incarnata〕があります。こちらはピンク色の花を咲かせます。
関連する植物
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シロバナマンジュシャゲ
ヒガンバナ科
シロバナヒガンバナとも呼びます。秋咲きの球根植物でヒガンバナの雑種とされます。 -
ナツズイセン
ヒガンバナ科
スイセンの仲間ではなく、葉っぱの形がスイセン似で、夏に花を咲かせるのでこの名前があります。 -
ヒガンバナ
ヒガンバナ科
秋の彼岸の頃、真っ赤な花を咲かせる球根植物です。花の咲いた後に葉を出します。 -
リコリス
ヒガンバナ科
東アジアの広い範囲に10数種~20種が分布する球根植物です。ヒガンバナやナツズイセンなど、身近に見られます。