- 科名
- ヒガンバナ科
- 学名
- Lycoris squamigera
- 別名
- -----
- 見られる場所
- 道端 草地 山野 など
- 草姿
- 直立 わさわさ茂る
- 草丈
- 50cm~70cm(開花時)
- 主な開花期
- 8月
こんな植物です
中国、日本(本州~九州)に分布する球根植物で、日本では人里近くの山野、草地、道端などに自生します。お彼岸の頃に真っ赤な花を一斉に咲かせるヒガンバナの仲間です。スイセンの仲間ではなく、葉っぱの形がスイセンのそれと似ており、夏に花を咲かせるのでこの名前があります。嫌みのないピンクの花は木々や野草の緑濃い真夏に溶け込みながらも目立ちます。
早春に球根から帯状の葉を出して、30cm~50cmの長さに伸びます。夏前に葉っぱはすべて枯れてしまいます。その後、真夏になると花茎を球根から長く伸ばしてその先端に数輪の花を付けます。花は付け根がほそい筒状で全体の長さ7cm前後、先端がラッパ状に大きく開きます。野生種のヒガンバナ類(リコリス属)の中では大きくてボリュームのある花です。花色は上品なピンク色です。開花中に葉っぱがないので、なにもない地面からいきなり花が咲いたように見えます。球根は径4~5cmの有皮鱗茎※で、リコリンという有毒成分を含みます。
※有皮鱗茎
茎は肥大した葉っぱが重なり合って球状になったもので表面を薄皮で被われているものを有皮鱗茎と言います。タマネギをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
その他
由来
開花時に葉っぱがないので、ハダカユリの別名があります。また英名のマジック・リリー(magic lily)やリザレクション・リリー(resurrection lily)も同様にその性質から来ているのでしょう。いったん葉が枯れて花を咲かせる様が、魔法や復活したように感じたのかもしれません。種小名のスクアミゲラは『鱗片をもつ』の意です。球根に由来すると思われます。
来歴
〔〕内は学名、L.はLycorisの略。
ナツズイセンはリコリス・スプレンゲリ〔Lycoris sprengeri〕とリコリス・ストラーミネア〔Lycoris straminea〕もしくはインカルナタ(タヌキノカミソリ)〔Lycoris incarnata〕が自然にかけあわさってできた雑種と言われています。日本には古い時代に中国から海を渡ってやってきて野生化したと言われています。人里近い場所に多いので、人の手によって持ち込まれたのかもしれません。
その他の画像
関連する植物
-
キツネノカミソリ
オレンジ色の花を咲かせるヒガンバナの仲間で日本の野原に自生します。
-
シロバナマンジュシャゲ
シロバナヒガンバナとも呼びます。秋咲きの球根植物でヒガンバナの雑種とされます。
-
ヒガンバナ
秋の彼岸の頃、真っ赤な花を咲かせる球根植物です。花の咲いた後に葉を出します。
-
リコリス
東アジアの広い範囲に10数種~20種が分布する球根植物です。ヒガンバナやナツズイセンなど、身近に見られます。