クヌギの育て方

昆虫採集でまず見つける木

ブナ科 「く」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

クヌギ
科名
ブナ科
学名
Quercus acutissima
別名
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原産地
日本(人為散布の可能性あり) 朝鮮半島 中国
大きさ
~17m
主な開花期
4月~5月
耐寒性
つよい
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

〔〕内は学名、Q.はQuercusの略

日本、朝鮮半島、中国に分布する落葉樹で、ドングリの木の一種です。伐採しても残った幹からばんばん芽吹いて再生するので、以前は燃料(薪や炭)として重宝され、人為的にたくさん植えられました。燃料がガスや電気に変わった今では、茶道用の炭、シイタケやナメコのほだ木、昆虫マット(材を細かく砕いたもので、昆虫の飼育や産卵に使用)などに利用されています。クヌギの炭と言えば池田炭(兵庫・大阪)がよく知られており、その形から菊炭とも呼ばれます。

雑木林のほか、森林公園、植物公園などでもよく見かけます。並木、庭木として利用されることもあります。特に、雑木を演出する庭園に似合います。クヌギがあると、ぐっと里山っぽい雰囲気になります。

穿孔性昆虫(カミキリムシやガの幼虫など、幹や枝の内部を食害する虫)のはたらきで発酵した樹液が出てきます。それを目当てに様々な昆虫が集まり、俗に『昆虫酒場』と言われたりします。人為的に木を傷つけても発酵した樹液は出ません。よく樹液のでるクヌギは昆虫好きにはたまらない宝物。

姿・形

樹高は15m~17mくらいになり、幹はまっすぐ伸びて枝をたくさん出します。樹皮は灰褐色で縦に深く裂けます。

葉っぱは長さ10cm~25cmくらいで、表は濃緑色です。縦長の楕円形で縁はギザギザになります。ギザギザは先端が糸のように細くなります。見た目はクリ〔Castanea crenata〕の葉っぱに似ています。

冬に葉が枯れますが、落葉せずに春頃まで枝にくっついていることもあります。なかなか落葉しないところはカシワ〔Q. dentata〕の性質に似ています。

春に新しく伸びた枝に、葉を広げつつ花を咲かせます。枝の下方に雄花の花穂がたくさん垂れ下がり、それより先端に近い葉腋(葉の付け根)に、雌花が数個咲きます。花粉は風で運ばれる風媒花です。

堅果(どんぐり)は直径2cmくらいでころんと丸く、花の咲いた翌年に熟して茶色く色づきます。殻斗(帽子の部分)はお椀型で細かい総苞片がらせん状に付き、堅果を半分くらいすっぽりと包みます。大きめのかわいらしいドングリなので、見つけて拾うときなんとなく楽しいです。

名前の由来

クヌギの名前は国の木という意味の『国木』が語源とされます。一説には、クリに似ている木『栗似木』が転訛したとも言われます。

属名のクエルクスはケルト語で『美しい樹』を意味する言葉に由来するとされます。種小名のアクティッシマはラテン語で『先端が非常に鋭い』の意。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 12月~1月 / 3月~4月上
剪定 12月~1月 / 3月

日常の手入れ

切り戻し

枝がよく伸びるので、他の邪魔にならないように剪定をして全体の大きさを抑えます。適期は冬で、枝分かれしている付け根の部分から切り落とす間引き剪定が基本です。どこで切っても良く芽吹きますが、枝の中途で切ってしまうと不自然な樹形になります。

かかりやすい病害虫

幹の内部を食い荒らすテッポウムシが発生します。

植え付けと用土

日当たりと水はけの良い場所なら特に土質を選ばずに育ちます。植栽適地は北海道南部より南です。植え付けは落葉期に行いますが、厳冬期は避けます。排水の良い肥沃な土を好むため、腐葉土をたっぷり混ぜ込んでおき、山高にして植え付けます。

ふやし方

タネ(どんぐり)をまいてふやします。乾燥させると極端に発芽率が落ちるので、採ったらすぐにまきます。

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