ニワウメの育て方
- 科名
- バラ科
- 学名
- Prunus japonica (= Cerasus japonica)
- 別名
- コウメ リンショウバイ
- 原産地
- 中国
- 大きさ
- 1.5m~1.8m
- 主な開花期
- 4月(果熟期:6月~7月)
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
〔〕内は学名、P.はPrunusの略。
中国北部~中部原産で生長しても高さは1.8m程度に収まる落葉低木です。見た目はあまりサクラっぽくないですが、分類上はサクラの仲間です。
4月頃、葉が出る前に2~3輪ずつ固まって枝を覆うほどたくさんの花を咲かせます。花は5枚の花びらを持っており色は淡い紅色です。花後に球形で直径1cmほどの果実ができて6月~7月頃に赤く熟します。赤く熟した果実は新緑の葉とのコントラストも非常に良く鑑賞価値が高いです。また、この果実は生食できます。
ニワウメの名前の由来は「庭に植える木で梅に似た花を咲かせる」という非常にわかりやすくストレートな意味です。
姿の似た仲間に、八重咲きで白色の花を咲かせるニワザクラ〔P. glandulosa= Cerasus glandulosa〕があります。
育て方
- ・日当たりが悪いと花付きが悪い
- ・剪定は落葉期に行います
- ・花芽は夏に作られる
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 11月~3月 |
---|---|
剪定 | 1月~3月上 |
肥料 | 2月 / 9月下 |
日常の手入れ
基本の剪定
剪定は木の内側まで日が入るように混みすぎた箇所の細かい枝や弱々しい枝を切って、花付きの悪くなった古い枝を株元から切ります。簡単に言えば、不要な枝を切る程度で十分と言うことです。古い枝を切って若い枝をよりよく生長させることと、木の内部までしっかりと日が当たるようにすることが剪定の理由です。内部までしっかりと日が当たると枝もしっかりと生長して花付きも良くなります。細かい枝をたくさん出してある程度自然に樹形が整うので、形はあまりこだわらなくても良いでしょう。作業の適期は落葉期、芽が出る前の1月~3月上旬です。
花芽は夏に作られる
前述したように不要な枝を切る以外の作業はほとんど必要ありませんが、大きくなり過ぎて全体を一回り小さくしたい場合は全体の枝を短く切り詰めます。その場合は花芽がつくられる前、開花直後に行います。8月~9月には翌年咲く花芽が今年伸びた枝の葉の付け根につくられます。秋以降は枝を短く切り詰める作業は避けましょう。花芽ごと枝をばっさりと切り落としてしまうことになります。
地下から出た枝は切り取る
地下茎を伸ばして株周りの地面からにょきにょきと枝を出します。地下茎から出た枝をそのままにしておくと株周りが藪(やぶ)のような感じで雑多に茂った状態になってしまうので、不要なら付け根から切り落とすか地面を掘り上げて切り取ります。
日当たり・置き場所
強健な樹木で土質はあまり選ばずに育ちますが日陰では花付きが悪く、咲いたとしても花色が冴えないことが多いです。日当たりの良い場所で育てましょう。
水やり・肥料
土壌から栄養を吸収する力が強いので、肥料はさほどたくさん必要ではありません。花付きと実付きがよいので消費した体力を補う程度で充分です。2月と9月下旬頃に油かすと化成肥料を混ぜたものを2握り程度株元にばらまいておけばよいでしょう。
かかりやすい病害虫
春の芽出しの時期、新芽にアブラムシが発生することがあります。見つけ次第駆除します。
植え付けと用土
乾燥を嫌うので、地植えで株元が土むき出しの場合、夏は敷きワラで株元を覆うなどの対策を行った方が安全です。株元がひどく乾くと生育が悪くなります。
ふやし方
地下茎から枝を出す性質があり、株分けが一番手軽です。株の根元の周りに出た枝を地面を掘り上げるか根元にはさみを差し込んで切り離して植え付けます。うまくいくと翌年から花を咲かせます。