- 科名
- ラン科
- 学名
- Eria reptans
- 別名
- 筬蘭〔漢字表記〕
- 原産地
- 日本 台湾
- 大きさ
- 5cm~10cm
- 主な開花期
- 6月~7月
- 耐寒性
- つよいほう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
日本の南部~台湾にかけて分布する小型の野生ランです。樹木の幹や崖の岩肌などに根を張り付かせて自生する着生種です。株元が球根のように肥って(「バルブ」と言います) 、その先端に2枚の葉を付けます。梅雨頃になると二枚の葉の間から花茎を数cm伸ばして、そこに1~2輪の白い花を咲かせます。花の大きさは径1cm前後で、中心部分の花びらの一部(リップ)が赤褐色や黄色に色づきます。花の寿命は短く、開花して2~3日すると薄く赤褐色のシミが出てきてしおれていきます。冬は葉を落として休眠します。
春になると休眠から覚め、昨年のバルブの付け根から芽が出て、それが新しいバルブになります。毎年これを繰り返していくので、数年するとバルブが行儀よく連なった株姿になります。5~6年くらい経過したバルブはしわしわになって枯れます。
名前の由来
バルブが連なった姿を機織りの筬(おさ)に見立ててオサラン(筬蘭)の名前があります。
仲間
オサランの仲間は世界に500種があり、洋ランのカテゴリーでは学名でエリア(属)と呼ばれます。日本には他にオオオサラン〔Eria corneri〕やリュウキュウセッコク〔Eria ovata〕が自生しています。耐寒性があり、病気もほとんど無く、花付きもよいのでとっつきやすいランのひとつと言えます。
育て方
- 風通しのよい明るい日陰でよく育ちます
- 水が好きで空気中の湿度の高い環境を好みます
- 寒さには強いが、凍結には注意します
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 5月~6月上 |
---|---|
肥料 | 5月~9月 |
日当たり・置き場所
春から秋の生育期は屋外やベランダの風通しのよい場所が適しています。日当たりが強めの場所でもあまり葉が傷まずに育ちますが(※ランの仲間は強い日射しに当たると葉っぱが焼けて傷むことが多い)、少し遮光するか半日陰に置いてあげるとより元気に育ちます。ネットなどを用いる場合は、夏30%程度の遮光が適当です。また、空気中の湿度の高い環境を好み、あまり乾燥する場所では若いバルブでもシワが寄って元気がなくなります。湿気が好きといっても、風通しが悪くて空気が淀むような場所はよくありません。
耐寒性のあるランで、凍結と霜に気をつければ屋外でも越冬できます。不安な場合、冬は室内の明るい場所やベランダで育てます。冬は基本的に葉を落として休眠しています。
水やり・肥料
水の好きなランなので、春から秋の生長している時期は用土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。冬に落葉した後は休眠し、あまり水を必要としません。水やりの回数を減らし、完全に乾いていたら与えるようにします。
さほどに肥料は与えなくてもよく育ちます。春から秋の間、1月~1月半に1回液体肥料を与えれば十分です。
かかりやすい病害虫
とくにありません。
植え付けと用土
用土は水ゴケが扱いやすくて育てやすいです。ランの栽培に慣れている方なら、ヘゴ付けで栽培してもよいでしょう。自生の環境では垂直な幹などに張り付いて、下に向かって新芽を出すことが多いので、ヘゴづけにする場合も新芽が下になるように付けます。
草丈が高くならずに根も深く張らないので、用意できるなら丈の低い平鉢を用います。普通の鉢しかない場合は底から半分くらいまで軽石などの水はけのよい用土を入れて、その上に水ゴケで植え付けます。植え替えの適期は5月~6月です。
ふやし方
株分けでふやします。古いバルブでまだ張りのあるものを、2つほど本体から切り離して水ゴケに植えておくと、バルブの付け根当たりから新芽が出てきます。作業の適期は5月~6月です。
関連する植物
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エリア
ラン科 難易度★★★☆☆
草姿や形態は種によって様々で変化に富んでいますが、花は短命でおとなしいものが多いです。