育て方はこのページの下
- 科名
- ツバキ科
- 学名
- Camellia sasanqua
- 用途など
- 鉢植え 庭植え 生垣
- 開花期
- 10月下~11月(サザンカ系)
12月~2月(カンツバキ系)
2月下~5月上(ハルサザンカ系) - 大きさ
- 高さ2m~5m
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
育て方
- ・剪定の適期は3月~4月
- ・水はけの悪い土では育ちにくい
- ・チャドクガなど、病害虫に注意
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月下~5月上 / 9月~10月上 |
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剪定 | 3月~4月上 / 10月(徒長枝) |
肥料 | 2月~3月 / 6月(鉢植え) / 9月(鉢植え) |
日常の手入れ
剪定の時期
新芽が動き出す3~4月が剪定や刈り込みの適期です。つぼみの付いていない徒長枝は10月頃に切り詰めてもかまいません。
基本の剪定
ほぼ放任状態でもある程度樹形がまとまり花も咲きます。むしろヘタに枝を切るよりも花付きがよいこともあります。ただ、新しく伸びた枝の先端に花芽を付ける性質があるので放っておくと花の咲く位置が年毎に少しずつ高くなります(比較的成長の遅い木なので、あまり関係ないかも知れません)。特に問題なければ突出して伸び出た枝を樹形に合わせて切り詰める程度で充分です。
刈りこむ場合
庭のスペースの関係などでコンパクトにまとめたい場合は、全体を刈りこみます。まず、花が咲いた枝は葉を3~4枚残して切り詰めます。次に木の内側に向かって伸びる枝(ふところ枝)を付け根から切り落とします。それでもまだ枝が重なり合って混み合っている場合は適宜枝を切り落とします。枝が混み合っていると風通し悪くなって病気や害虫が発生しやすくなり、木の内側まで日が入りません。生け垣に仕立てる場合は全体を刈り込みます。芽吹く力が強いので、色々な樹形に仕立てることができます。
剪定の注意点
春に芽吹いて伸びた枝の先端に7~8月に花芽が形成される(この時点ではまだつぼみは見えません)ので、基本的に夏以降は枝を切りません。ただし秋につぼみが確認できるようになって以降、つぼみの付いていない徒長枝(樹形から飛び出た枝)は切ってもかまいません。
日当たり・置き場所
日当たりのよい暖かい場所でよく育ちます。やせ地や乾燥する場所ではつぼみが落ちてしまうのであまり適しません。また、半日陰でも育ちますが花付きは悪くなります。庭植えにする場合は東北地方より南の地方が適地です。また、冬に寒風の当たる場所は避けましょう。
水やりと肥料
水やり
地植えは、一度根づくとよほど乾燥する日が続かない限り水を与える必要はありません。自然の降雨だけで育ちます。
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。特に春の新芽がぐんぐん生長する時期は水もたくさん必要とするので、水切れさせないように気を付けます。また、夏も乾きやすいので水やりを忘れないようにしましょう。
肥料
肥料が足りないと下の方の葉っぱが枯れやすく、枝も充分に育たず花付きに影響することがあります。春の芽が出てくる前くらいに油かすと骨粉(もしくは化成肥料)を混ぜたものや市販の固形油かすを株の大きさに応じて与えます。垣根にしている場合は、株元から40cmほど離れた場所に垣根と平行して浅く溝を掘りそこに肥料を入れます。木がまだ小さいうちは毎年肥料を与えますが、充分に大きく育った成木の場合は2年に1回程度でかまいません。
鉢植えは生長を見て花芽が枝の中でつくられる6月頃と、9月頃にも同様の肥料を少量与えます。
適した土
水はけの良い用土であれば特に土質を選ばずに育てられます。水はけの悪い粘土質の土や水もちの悪い砂質の土壌に植え付けるときは、あらかじめ腐葉土を混ぜ込んでおきます。
植え替え・植え付け
3月~5月、9月~10月が植え付け・植え替えの適期です。根づまりを起こすと花付きが悪くなりますので、鉢植えは2~3年に1度植え替えましょう。
ふやし方
タネまきかさし木でふやすことができます。
タネは10月中旬以降に採取しそのまますぐにまくか(とりまき)、保存しておき3月中旬頃にまきます。花が咲くまで地植えの場合で5~7年、鉢植えの場合は3~4年かかります。
さし木はその年に伸びた新しい枝を切り取って湿らせた赤玉土や鹿沼土に挿します。花が咲くまで2~4年かかります。
かかりやすい病害虫
病気:もち病 害虫:チャドクガ アブラムシ カイガラムシ
もち病は5月頃に発生しやすい病気で(まれに秋にもみられます)葉が焼いた餅のようにふくれる症状からこの名前があります。ツバキ類によく発生する病気でふくれた葉っぱはやがて白っぽいかびが生えてきて枯れてしまいます。一度に大量発生する病気ではないので、被害が少なければ病気にかかった葉を取り除く程度で充分です。葉っぱはかなり特徴的な形と色に変化しますので、判断しやすいと思います。ひどい場合は薬剤を散布します。
春にチャドクガの幼虫(毛虫)が発生します。葉を食い荒らして丸坊主にしてしまうので、見つけしだい薬剤を散布して駆除しますが、触れると毒毛によって皮膚がかぶれてピリピリとした痛みがなかなか取れないので気を付けましょう。適宜剪定を行い風通しをよくしておくと発生しにくいです。
カイガラムシは風通しの悪い環境で発生しやすい害虫です。植物の栄養を吸うだけでなく、排泄物によって光合成を阻害するスス病を併発させる恐れもありますので、見つけしだいこすり落とします。