シャリンバイの育て方
- 科名
- バラ科
- 学名
- Rhaphiolepis umbellata
- 別名
- タチシャリンバイ
- 原産地
- 日本
- 大きさ
- 3m~5m
- 主な開花期
- 5月
- 耐寒性
- ややよわい(霜・凍結注意)
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
本州西部、四国西南部、九州の海辺など主に西日本に分布する常緑性の低木です。小枝を車輪状に出して、5月に梅に似た白い花を咲かせるところからシャリンバイの名前があります。花後には直径1cmほどの球形の実を付け、10月頃に熟して黒紫色になります。葉は濃緑色で光沢があります。1年目の若い枝には茶色い毛が生えており、その後生長するとなくなります。
用途・由来
常緑性で大気汚染や潮風にも強いので道路の植え込みによく利用されています。 樹皮や材にはタンニンを多く含んでおり、奄美地方では煎じたものを大島紬の染料として利用します。
属名のラフィオピレスはギリシア語のラフィス(針)とレピス(鱗片)からなり、花の一部、とがった苞片(ほうへん)の形に由来します。
種類・仲間
〔〕内は学名、R.はRhaphiolepisの略。
マルバシャリンバイ〔var.integerrima〕
本州、四国、九州、朝鮮半島に分布。葉がやや丸みを帯び、樹高は1m程度と低い。
ホソバシャリンバイ〔var. liukiuensis〕
沖縄など亜熱帯に分布。葉がややとがった形になる。
インディカ〔R. indhica〕
中国南部原産で花色は白の他、ピンクがある。園芸品種に生長が早く濃い目のピンク花を咲かせるスプリングタイムがある。
デラクリー〔R. ×delacourii〕
フランスで作出されたシャリンバイとインディカを掛け合わせた種。
育て方
- ・剪定は最小限にとどめる
- ・植え付けは春に暖かくなってから、もしくは秋
- ・日当たりのよい場所で育てる
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え付け | 3月下~5月上 / 9月~10月上 |
---|---|
剪定 | 6月 |
肥料 | 2月 |
日常の手入れ
剪定
若木のうちは勢いよく長く伸びる枝が出るので樹形からはみ出す場合は根元から切り落とします。基本的に枝の出方が規則的で行儀良く、樹形が自然にまとまるのでそれ以外は枝を切る必要はありません。むしろ枝はできるだけ切らないことが栽培のポイントです。特にマルバシャリンバイは若木のうちから樹形がよくまとまるので枝を切って整える必要はほとんどないでしょう。
花芽は夏から秋にかけて本年伸びた短い枝の先に付けるので、枝を切る作業は花後すぐがよいでしょう。できれば秋以降は避けます(花芽ごと枝を切ることになり、翌年花が咲かなくなります)。花よりも樹形重視であれば10月~12月に不要な枝を切ってもかまいませんが、できるだけ軽め、最小限にとどめます。
剪定の注意点
強健で枝を伸ばす力は強いのですが、それに比べて芽吹く力がさほど強くありません。ですから、うっかり枝を切りすぎて樹形を乱してしまうと、新芽があまり吹かずなかなか元の樹形まで復活しない、ということにもなりかねませんので気をつけましょう。
楽しみ方
目隠しなどに利用するのであれば樹高の高いシャリンバイが、庭の植え込みなどには樹高が低く枝が密生して形よく整うマルバシャリンバイが適しています。
日当たり・置き場所
半日陰の場所でも育ちますが、日当たりが悪いと枝が間延びした感じになり樹形がうまくまとまらないので、できるだけ日当たりの良い場所で育てます。
地面がむき出しで、直射日光が株元に当たる場所では乾燥しすぎて葉が傷む場合があるので、夏は敷きワラなどで株元を覆って極度な乾燥から守ります。
水やり・肥料
冬に化成肥料を株元に一握り程度与えます。チッソ過多になると枝葉が軟弱に育ち、寒さの被害を受けやすいのでチッソ分の少ない肥料を与えるようにします。
かかりやすい病害虫
風通しが悪いとカイガラムシが発生します。またその排泄物からすす病を併発するので、カイガラムシは見つけ次第駆除しましょう。
植え付けと用土
暖かい気候を好む性質なので植え付けは3月~4月に行います。また、秋の9月~10月も可能です。7~8年生以上の大株は移植が難しいので避けます。
あまり土を選ばず育ちますが、やや砂質で水はけが良く腐葉土や堆肥を含んだ肥沃な土を好みます。
ふやし方
タネまきでふやすことができます。秋に熟したタネをすぐにまくか、乾燥させないように保存しておいて春になってからまきます。
その他の画像
1.葉っぱ 2.熟した果実
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カナメモチ
バラ科 難易度★★☆☆☆
刈り込みに耐え芽吹く力も強いので生垣に利用される。園芸品種のレッドロビンが普及。