シシリンキウムの育て方
- 科名
- アヤメ科
- 学名
- Sisyrinchium
- 別名
- ニワゼキショウ
- 原産地
- 北・南アメリカ
- 大きさ
- 10cm~50cm
- 主な開花期
- 4月~6月
- 耐寒性
- つよいほう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
北、南アメリカに分布するアヤメ科の植物で約90種類が知られています。地下に根茎をもち、性質は丈夫です。花の美しい種もありますが栽培はあまり盛んではありません。主な開花期は春~初夏、花色は紫、白、黄、クリーム色などがあります。
種類
〔〕内は学名、S.はSisyrinchiumの略。
自生の中心は北アメリカで、日本にはニワゼキショウ〔S. rosulatum〕が野生化しています。ニワゼキショウは日本でも公園の芝生などに見られる野草で、雑草のイメージの強い植物です。日本に渡来したのは明治20年頃で、最初植物園で育てられていたものが逃げ出して野生化したと言われています。タネからよく繁殖します。
比較的よく育てられているのは北アメリカ原産のベルム〔S. bellum〕、もしくはその園芸品種「カリフォルニアン・スカイズ」です。草丈は30cmほどで葉は剣状で先がとがり細長く、春に青紫色の花を咲かせます。そのほかに、チリ原産の大型種でクリーム色の花を咲かせるストリアツム〔S. striatum〕などが知られています。
育て方
- ・日当たりのよい場所で育てる
- ・肥料は控えめに
- ・秋にタネをまく
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月~5月 / 9月~10月上 |
---|---|
肥料 | 4月~6月 / 9月~10月 |
日常の手入れ
種によっては地植えにしていると、自然にできたタネがこぼれてどんどん増えます。ふえすぎて他の植物の邪魔をするようなら出て来た芽を早めに抜き取るようにしましょう。
日当たり・置き場所
日当たりの良いやや湿り気のある環境を好みます。一年を通して日向で育てます。暑さ、寒さには比較的強いです。
水やり・肥料
土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。強い乾燥や冬の過湿には注意します。冬の過湿に注意するのは休眠期で根が水をあまり吸わないからです。
春の開花時期と秋に液体肥料や固形肥料を与えます。肥料を与えることで株が大きく育ちますが、あまり大きくしたくない場合-鉢植えなど-は控えめにします。夏と冬は与えません。
かかりやすい病害虫
アブラムシとネジラミの被害が見られます。
アブラムシは春に発生しやすい害虫で、主に花茎について吸汁します。見つけ次第薬剤を散布して駆除します。
ネジラミ(ネコナカイガラムシ)は根に付く白いワタのような害虫です。発生すると生育が衰えます。地中に発生するので発見が遅れがちになります。1年に1回ちゃんと植え替えていると発生しにくい害虫です。鉢植えの場合、鉢から抜いて土を落とし、根を薬剤に浸して駆除し、新しい鉢と用土に植え付けます。
植え付けと用土
鉢植えはネジラミの発生を防ぐためにも1年に1回植え替えましょう。それ以上大きくしたくない場合は同時に株分けも行います。作業は真夏や真冬を除けば可能ですが、最適期は3月~5月、9月~10月です。
水はけのよい適湿な土を好みます。鉢植えの場合は鹿沼土に水もちを良くするために細かく刻んだり粉にした水ゴケを適量混ぜ込みます。水ゴケがなければ鹿沼土のみで植え付けてもかまいません。
ふやし方
タネまき、株分けでふやせます。
タネまきは花後にできた果実が熟してきたらタネを採りだしすぐにまきます。乾かさないように管理するとはやいものでは2週間くらいで芽を出します。地植えのものは自然にタネが落ちて増えることがあります。
株が大きく生長し、葉がわさわさ茂っているような大株は株分けできます。手で大きくちぎって分けますが失敗は少なく、多少根が付いていれば根付きます。ただし、あまり細かく分けすぎるとその後の生育が衰えるので気をつけます。