ヤサシイエンゲイ

様々な花姿、それぞれの魅力

クレマチス

クレマチス
ジャックマニー 'ニオベ'
科名:キンポウゲ科
学名:Clematis
原産地:世界(主に北半球)
草丈:つる性
主な開花期:種により異なる
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

くわしい育て方

〔〕内は学名、C.はClematisの略

クレマチスとは

クレマチスは世界中に250種~300種が分布します。特に北半球に温帯に多く分布し、日本にもおよそ20種が自生します。ほとんどの種がつるを長く伸ばし、名前もギリシア語のクレマ(つる)に由来します。「木」扱いと「草」扱いのものがあり、落葉性と常緑性があるといったように形態や生育サイクルなどが細かく違います。

花びらの部分は、実を言うとがくが色づいたものです。本来の花びらどこに行ってしまったのかありません(以下、便宜上がくのことを花びらと呼びます)。花びらの色や形は様々ですが、例外を除いて枚数は4枚・6枚・8枚と偶数のものが多いです。代表的な例外は雄しべや雌しべが花びらに変化した八重咲きです。花後は雌しべが長く伸びて、タネをつけます。タネは羽毛状の羽を持ち、風に乗って飛ばされます。

三出複葉葉っぱは茎を挟んで左右同じ位置に付きます。葉の軸(葉柄)を伸ばしてその先端に3枚の小葉をつける1~数回の三出複葉が多いです(三枚を1セットとしてそれが2セットある場合を2回三出、3セットで3回三出の複葉と呼びます)。葉柄は体を固定する役割もあり、付け根の部分が支柱に触れるとくるりと巻き付きます。

歴史

19世紀、シーボルトらによって日本のテッセン〔C. florida〕と中国のラヌギノーサ〔C. lanugionsa〕がヨーロッパに持ち込まれました。それらとヨーロッパ原産種が人の手によって掛け合わされ、大輪咲きの園芸品種が作り出さました。19世紀中期に作出された四季咲き性のジャックマニーは現在でもごく当たり前に見られるベストセラー的な園芸品種です。

日本では古くからテッセンやカザグルマ〔C. patens〕が栽培されており、ハンショウヅル〔C. japonica〕やセンニンソウ〔C. terniflora〕が山野に自生していました。自然に出た変種が栽培されることはありましたが、品種改良はされていませんでした。大正時代にヨーロッパの園芸品種が入ってきて、それがきっかけで本格的な改良が始まりました。前述の通り、当時の園芸品種は日本や中国原産種からの改良だったので、ヨーロッパからUターンしてきたことになります。改良が進み形となったのは第二次大戦以降で、大和や江戸紫などをはじめとして、多くの優良品種が作られました。

現在は様々な野生種から、大輪種とはまた趣の異なる品種が多く作られています。

テッセン
テッセン
ハンショウヅル
ハンショウヅル
大和
大和
 

系統

非常に多くの原種(野生の種)・品種があり、姿形だけでなく性質も異なるので 様々な系統に分けられます。代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。

アーマンディー系

中国・ミャンマー・ベトナム原産のアーマンディー〔C. armandii〕を元とした系統です。常緑性の樹木で性質は強健、つるをよく伸ばし大きく茂ります。基本の花色は白系統で芳香を持つものが多いです。主な開花期は春です。

 

 

 

 

フォーステリー系

元となるのはニュージーランド原産種です。花色は白や緑で清楚な感じがしてかわいらしいです。足しをと嫌います。葉の形が他のクレマチスとは全く異なりおもしろいです。

モンタナ系

元は中国の高山に自生する種です。生育旺盛で丈夫ですが、高温多湿に弱い性質があります。基本は4枚の丸っこい花びらを十字状に開きます。代表的な野生種にスプーネリがあります。

 

 

 

 

アトラゲネ系

元となる野生種は高山地帯に自生するものが多く、高温多湿にやや弱い性質があります。基本はやや細めの花びらを4枚もち、下向きに開花します。花色は紫、青、黄、ピンクなどです。

早咲き大輪系

カザグルマ(日本)とラヌギノーサ(中国)を元として改良された園芸品種群で、最もベーシックなクレマチスです。非常に多くの品種があります。

 

 

 

 

 

遅咲き大輪系

大輪系の中でも、早咲きに比べて1ヶ月ほど遅く開花する系統です。代表的な品種にジャックマニーがあります。

ヴィチセラ系

小さめの花をたくさん咲かせます。性質は強健で花の形はバラエティーに富みます。冬は茎葉が枯れます。

テキセンシス系

アメリカ・テキサス原産のテキセンシス〔C. texensis〕が元となった系統です。先が少し開いた壺のようなかわいらしい花や花びらが細くて反り返るように咲くものが多いです。暑さに比較的強いのが特長です。

 

インテグリフォリア系

ヨーロッパ、ロシア、アジアなどに広く分布するインテグリフォリア〔C. integriflolia〕を元とした系統です。基本は4枚の花びらを持ち、つるが支柱などにあまり絡まず、色は紫や青系統が多い。

 

 

 

 

フラミュラ系

地中海沿岸からコーカサスに分布するフラミュラ〔C. flammula〕を基本とする種。日本に自生するセンニチソウはこの系統に入ります。基本は4枚の細い花びらを十字状に開きます。小輪で一度にたくさんの花を咲かせるものが多い。

フロリダ系

日本原産のテッセン(学名でクレマチス・フロリダ)を元とした品種群です。

タングチカ系

中国やチベットの高山に算するタングチカ〔C. tangutica〕を元とした系統。基本は4枚の花びらを持つ黄色い花が下向きに咲きます。

シルホサ系

地中海沿岸~小アジア原産のシルホサ〔C. cirhosa〕を元とした系統。秋から春に開花し、夏は休眠します。

原種系

上記の系統に含まれない野生種。レペンス、アンシュネンシスなど。

これら以外にも、ヘラクレイフォリア系やヴィタルバ系などがあります。

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