巨木になる常緑樹

クスノキ

クスノキ科 「く」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

クスノキ
この植物の育て方
科名
クスノキ科
学名
Cinnamomum camphora
別名
クス 樟 (漢字表記)
原産地
日本 中国 台湾 ベトナム
大きさ
高さ ~30m
開花期
5月~6月
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

日本(関東より西)、台湾、中国南部からベトナムにかけて分布する常緑性の高木です。非常に寿命の長い木で、日本南部の神社を主として樹齢数百年の巨木 が見られます。日本国内で知られている最大のものは樹高30m (10階建てのビルに匹敵 )、幹周り20mというファンタジックかつ威圧的な大きさです。 特に巨木なクスノキは九州、四国など温暖な気候の地域に多く見られます。日本の巨木ランキング上位をほぼ独占しているところからも、群を抜いて巨大になると言うことがわかります。 国の特別天然記念物に指定されているものに蒲生の大樟 (鹿児島県) や加茂の大楠 (徳島県) などがあります。

葉は少し細長い卵形で先端がとんがって縦方向に走る3本の葉脈 (三行脈) が目立ちます。傷をつけると独特の香りがします。初夏に黄緑色の小花をまとめて咲かせます。花後に1cmほ どの球形の実を付けて11月頃に黒紫色に熟します。1つの実の中に1つのタネが入っています。春も遅くに新芽を吹きますが、そのときの様子が非常に美しいです。木によって新芽が赤みがかるものと青みがかったものがあります。それぞれ「赤樟(女樟)」「青樟(男樟)」などと呼び区別することもあります。樹皮は縦に裂け目が入ります。


用途

葉や幹、根皮から樟脳 (しょうのう)の原料が採れますが、樟脳は化学合成で生成することが出来るので、現在は原料採取のためにクスノキを植えることはありません。樟脳は独特の香りがあり、一般的には衣類の防虫剤として有名です。薬品としても利用されており「カンフル剤」のカンフルは樟脳のことです。

現在はもっぱら街路樹や校庭に植えられたりと、公共緑化樹としての利用が多いです。大気汚染に強く、病害虫耐性も高く日本の気候(主に暖地)にあった木ですが、 なんといってもでかくなるので庭木としては不向きです。また、建築材や家具材としても利用され、古い時代の仏像にはクスノキ材のものが多いそうです。

名前の由来

学名のシナモマム・カムフォラのカムフォラは「樟脳」のアラビア名に由来します。クスノキの語源は諸説あり、「奇しき木(くしきき)」「薬の木(くすりのき)」「臭し木(くさしき)」などに由来すると言われています。

近い仲間・種類

仲間に葉がやや円形のマルバクスノキ、近縁種にヤブニッケイやセイロンニッケイがあります。セイロンニッケイの樹皮を乾燥させたものはスパイスとして利用されます(俗に言う「シナモン」)。

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