- 科名
- セリ科
- 学名
- Petroselium crispum
- 別名
- オランダゼリ
- 原産地
- 地中海沿岸
- 大きさ
- 高さ20cm~40cm
- 開花期
- 6月~7月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
地中海沿岸が原産とされている二年草です。葉や茎に強い香味があり、主に料理に利用されます。利用の起源は古代ローマで、当時最も利用されたハーブの一つと言われています。栽培の起源はイタリアで、何世紀もかけて周辺地域に伝わっていき、17世紀にはヨーロッパで全域にまで普及したとされます。日本には18世紀にオランダ人が持ち込んだのがはじめです。当時は「ヲランダゼリ」と呼ばれ、長崎で栽培されていました。アメリカへは日本より遅く19世紀頃に渡来しましたが、普及は早かったようです。
日本やアメリカでは葉が細かくカールする縮葉種が一般的ですが、ヨーロッパではより原種に近いとされる平葉種がポピュラーです。平葉種は見た目ミツバやセロリの葉に似ています。初夏に花茎を伸ばして、その先端に緑黄色の小さな花をまとめて咲かせます。葉の色は濃緑色で、茎はよく枝分かれします。大きくなった葉っぱから順次摘み取っていて、一年を通して利用できるので1株あれば便利です。
名前の由来
属名のペトロセリウムはギリシア語のペトロス(岩)とセリノン(パセリ)からなり「岩地のパセリ」と言う意味で、砂礫地に自生するところから名付けらました。種小名のクリスプムは「縮れた」という意味です。
品種
戦前は’チャンピオン’や'モスカールド'などが主に栽培されていました。現在よく栽培されている品種に'パラマウント'や'中里パセリー(中里パラマウント)'、'グランドパセリー'があります。中里やグランドは日本で育種・選抜された品種です。
農家は収穫する季節や耐暑性などにあわせて品種を選びますが、家庭菜園ではパラマウント系のような耐暑性・耐寒性があり季節をあまり問わずに栽培できる品種がよいでしょう。
その他の仲間
別種に葉が平たいイタリアンパセリ〔P. crispum var. neapolitanum 〕、肥大した根を食用とするハンブルグパセリ〔P. saticum〕があります。ハンブルグパセリはルートパセリとも呼ばれ白っぽいニンジンのような姿をしており、扱いはハーブというより野菜です。日本ではあまり馴染みがありません。