- 科名
- ラン科
- 学名
- Phaius tankervilleae
- 別名
- 鶴頂蘭(漢字表記)
- 原産地
- 日本 中国 東南アジア インド オーストラリア など
- 大きさ
- 40cm~1m
- 主な開花期
- 6月~7月
- 耐寒性
- よわい(7℃以上)
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
日本の種子島以南、中国、インド、東南アジアからオセアニアにかけて分布する大型のランで、地面に根を下ろして生育する地生種です(ランの中には樹木や岩肌などに張り付いて生育するものも多く、それらは着生種と言います)。低地から標高1300m付近の草原や木がまばらな林の中などに自生します。
地際に細長い卵形をした球茎(バルブ)があり、幅15-20cm長さ40-100cmの葉を2-3枚付けます。開花時期は主に初夏6月~7月、1mを越す長い花茎をまっすぐ上に伸ばして幅10cmほどの花を数輪から十数輪咲かせます。
名前の由来
カクチョウランは漢字では「鶴頂蘭」と表し、咲いた花の姿を鶴に見立てたものです。属名のファイウスは「暗い」という意味の「ファイオス」にちなみ、カクチョウランの花の内側が暗褐色になるところに由来します。
種類
〔〕内は学名
カクチョウランを含むラン科ファイウス属には約50種類の仲間があり、日本ではカクチョウラン以外にガンゼキラン〔Phaius flavus 〕がよく知られています。
同じラン科のカランセ〔Calanthe〕は別属ですが近縁に当たり、ファイウスとカランセをかけ合わせた「ファイオカランセ」という属間交配種があります。
育て方
- 越冬温度は7~8℃、できれば10℃
- 生育期は肥料を切らさない
- ハダニに注意
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 4月下~5月 |
---|---|
肥料 | 4月~9月 |
日常の手入れ
大型で中-高温性の地生ラン。性質は強いですが、害虫のハダニ、水切れ、越冬温度に気をつけましょう。
日当たり・置き場所
強い日射しを嫌うので、一年を通して遮光を行い半日陰の場所で育てます。遮光率は春と秋は40~50%、夏は60%~70%、冬は30%くらいが適当です。
越冬温度は最低7~8℃、できれば10℃あった方が無難なので、冬は屋内で管理します。
水やり・肥料
葉が大きくて水をたくさん要求するランなので、水切れさせないように気をつけます。特に生育期は用土の表面が乾く前に与えて、常に適湿を保つようにします。冬は生育期ほど水は必要としませんがひどく乾燥させないよう、用土が少し湿っている程度の状態をキープします。
ランの中でも大型の部類に入り、充分に生長するために肥料が欠かせません。春~秋の生育期は月1回~2回1000倍に薄めた液体肥料を与えます。
かかりやすい病害虫
ハダニやカイガラムシが発生します。カイガラムシは見つけ次第株を傷つけないようにこすり落とします。ハダニは薬剤を散布して駆除します。また、比較的ウイルス病にかかりやすいので植え替えなどの作業を行う際に用いる器具は消毒しておく方がよいでしょう。
植え付けと用土
水ゴケもしくは赤玉土や腐葉土、日向土を混ぜた通気性の良い土が適しています。用土が傷んだり、鉢の中が根でいっぱいになるので2年に1回を目安に新しい用土を用いて植え替えます。植え替えの際は新芽の伸びるスペースを充分空けるようにします。植え替えの適期は4月下旬~5月です。
ふやし方
古いバルブを1~2球ずつ分けて植え付けておくと新芽が出てきます。