ガンゼキランの育て方

黄色い花が人目を惹く大型のラン

ランの仲間 「か」からはじまる植物 山野草の仲間

ガンゼキラン
科名
ラン科
学名
Phaius flavus
別名
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原産地
日本~東南アジア
大きさ
40cm~60m
主な開花期
5月~6月
耐寒性
ふつう
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

日本(本州の一部・四国・九州)から、台湾、東南アジアまで分布する大型のランです。主に常緑樹林の下などのややうす暗く湿り気のある場所に自生します。

春に芽を出して生長し、地際の茎が肥大して球茎(球根のようなもので、バルブともいいます)を作ります。葉は長さ40cm、幅10cmほどになり、球茎は半分地面に埋まっており、大きなものでは大人のこぶし大になります。晩秋には球茎の脇に翌年生長する芽をつくり、冬は葉を付けたまま休眠します。古い葉は翌年の初夏-梅雨頃に落ちますが、球茎は枯れずに長期間残ります。

主な開花期は初夏、球茎の横から花茎を40-60cm伸ばしてその先に10輪前後を咲かせます。花は黄色で中心にある唇弁という花びらのフチが赤褐色に縁取られます。

名前の由来

球茎がごつごつして堅いところからガンゼキラン(岩石蘭)の名前があります。属名のファイウスは「暗い」と言う意味です。ガンゼキランの仲間に花の奥が暗褐色になる種があり、それにちなみます。種小名のフラブスは「鮮やかな黄色」の意で、花色に由来します。

仲間

〔〕内は学名

唇弁に縁取りが入らないものや、白花などの変種が知られます。また、葉に黄色い斑点模様がはいる種はホシケイランと呼ばれ、別の品種として扱われます。

ガンゼキランを含むラン科ファイウス属は熱帯アジアを中心に約50種類が知られており、日本には本種のほか、カクチョウラン〔Phaius tankervilleae〕とヒメカクチョウランが自生します。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え替え 6月
肥料 4月~9月

日当たり・置き場所

常緑樹の下などのうす暗い場所に自生しており、直射日光は苦手です。一年を通して明るい日陰に置いて育てます。直射日光に当てると葉が先から黒く焼けて傷んでしまいます。葉が傷んでしまうと十分に成長できません。

霜のない暖かい地方では地植えで栽培できますが、それ以外の地域では鉢植えで育て冬は凍結と霜の心配がない場所で管理します。寒さには強い方ですが寒さで葉が黒ずむことがあるので、5℃程度あった方が無難です。

水やり・肥料

水やりは用土の表面が軽く湿っている状態を保つようにし、一年を通して乾燥させないようにします。特に生育期は1日1回を目安にたっぷりと水を与えます。

春~秋の生育期は月1~2回液体肥料を草花に与える際と同じくらいの濃度(1000倍)で施します。それに加えて花後と秋に1回ずつ油かすなどの固形肥料を株元に与えます。肥料が足りないと十分に成長できず、翌年以降の花付きにも影響するので、肥料はしっかりと与えます。

かかりやすい病害虫

ウイルス病の被害が見られます。ウイルス病にかかると葉に色が抜けたような模様ができて正常に生長しなくなります。完治させることができず、他に感染するので見つけ次第処分するか隔離します。植え替え時など、使用する器具を消毒するなど菌を持ち込まないことが一番の予防です。

植え付けと用土

植え替えの適期は花の咲き終わった直後で、2~3年に1回を目安に行います。植え付ける際、新芽の伸びる方向は広めにスペースとって植えましょう。

用土は日向土(中粒)もしくは軽石砂7:腐葉土3の割合で混ぜた水はけのよいものを使用します。

ふやし方

株分けとバックバルブ(古い球茎)吹きでふやすことができます。

株分けは植え替え時に行います。あまり細かく分けると生育が衰えますので、古い球茎を2つ以上付けた状態で分けます。

バックバルブ吹きは古い球茎を大きなものなら1つ、小振りのものなら2つ1組にして株から外し、湿らせた水ゴケに1/3ほど埋まるように植えておくと3ヶ月ほどで球茎の脇から新しい芽を吹きます。適期は植え替えと同様、花後すぐです。

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