育て方はこのページの下
- 科名
- ラン科
- 学名
- Cypripedium japonicum
- 用途など
- 鉢植え 地植え
- 開花期
- 4月~5月
- 大きさ
- 高さ20cm~40cm
- 耐寒性
- ふつう( 霜と凍結に注意 )
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
育て方
- ・暑さにやや弱い
- ・生育期は根を乾燥させない
- ・強い日光には当てない、葉を大事にする
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月 / 11月上 |
---|---|
肥料 | 4月~6月 / 9月~10月 |
日常の手入れ
花後の処理
花は枯れてきたら早めに花茎の付け根から切り落とします。枯れた花をそのままにしておくと見栄えが悪いだけでなく株の栄養がタネを作るのに行ってしまい、株が消耗します。タネから育てるのは一般的に困難なので、タネを作る意味はあまりありません。
葉を大切に
落ち葉や花がらが葉に乗っていたら取り除き、いつも清潔に保つようにしましょう。葉を痛めないことも大切な栽培のポイントです。
日当たり・置き場所
自然の環境下では竹林内など、やや薄暗い場所に群生する植物で直射日光は苦手です。午前中はうっすらと日が射し、午後からは日陰になるような場所を好むので、一年を通して明るい半日陰で栽培します。そのような場所を確保できないなら、寒冷紗や遮光ネットを使って春と秋は30%~40%、夏は60%~70%の遮光を行います。油断して夏の直射日光に当てると葉焼け(葉がヤケドを起こして一部が枯れる)します。葉焼けで枯れてしまうと株の生育が衰えて翌年に花を付けないこともあります。特にクマガイソウは他の草花に比べると葉数が少ないので、葉焼けには気を付けましょう。
また、暑さが苦手なので夏はできるだけ涼しい場所で管理しましょう。ただし、常に風が当たるような場所はあまり好ましくありません。
暑さほども寒さには気を使う必要はありませんが、霜や凍結には注意しましょう。
水やりと肥料
鉢植えは乾燥しやすいので水切れには注意しましょう。乾燥させると生育が極端に衰えます。土の表面が乾いていたらすぐにたっぷりと水を与えるようにしましょう。特に春から秋の生育期は注意します。冬の水やりは育てている環境にもよりますが、1週間に1回くらいが目安で少し湿り気のある状態を保てれば大丈夫です。
肥料は春(4月~6月)と秋(9月~10月)、1000倍に薄めた肥料を月に2~3回の割合で与えます。真夏は暑さで株の勢いが多少弱ることもあるので、肥料は与えません。
適した土
市販の山野草の土やエビネの土を使えば手軽です。また、日向土(小粒)5:赤玉土(小粒)3:腐葉土2で混ぜた土などを使います。地植えにする場合はあらかじめ腐葉土を全体の4割ほど混ぜてよく耕し、ふかふかの土にしておきましょう 。
植え替え・植え付け
地下茎が長く延びていくので、小さな鉢での栽培は困難です。地下茎が延びていってその先端が鉢の縁のところでぶつかり、芽がつぶれてしまうからです。鉢植えにするなら最低でも6~7号鉢(直径18cm~21cm)以上の大きさが必要です。大型の育苗箱や菜園プランター、魚屋さんによくある発泡スチロールのトロ箱(四角くて少し深さのある箱)の底に穴をあけて使う方法もあります。要するに容器栽培の場合は四角いものの方が育てやすいということです。
植え付けは地下茎を新芽が軽く隠れる程度に浅く植え付けます。新芽の延びる方向にスペースを十分に空けておくことがコツです。鉢植えは、先端の芽が鉢の真ん中当たりにくるよう植え付けます。植え付けの時期は3月もしくは11月頃が適期です。地下茎が長く延びるので2~3年に1回、株分けをかねて植え替えます。
地下茎の節の間が短いタイワンクマガイソウはクマガイソウほど地下茎が長く伸びないので、その点では育てやすいです。
ふやし方
地下茎が長く伸びるので、植え替えもかねて株分けを行います。掘りあげた株は強引に力を入れて引きちぎるのではなく、軽く引っ張って離れる場所で分けます。あまり細かく分けないように注意しましょう。その後の作業は植え替えに準じます。
かかりやすい病害虫
とくにありません。