ナツツバキの育て方
育て方はこのページの下
- 科名
- ツバキ科
- 学名
- Stewarita psedocamellia
- 用途など
- 庭植え 鉢植え
- 開花期
- 6月~7月
- 大きさ
- 10m~20m
- 耐寒性
- ふつう
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
育て方
- ・乾燥に弱い
- ・剪定は最低限にし、自然樹形が望ましい
- ・肥料はさほど必要としません
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期(地植え)
剪定 | 1月~2月 |
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植え付け | 2月下~4月上 / 10月下~12月上 |
肥料 | 1月~2月 |
日常の手入れ
剪定は最低限に
基本的にほおっておいても自然に樹形が整い、生育上もその方が望ましいです。特に若いうちはほとんど枝をいじる必要はありません。木が大きくなってきて枝葉が混み合ってきたら、剪定(枝を切って整える作業)を行いますが、その場合も重なり合っている部分の枝や伸びすぎて全体のバランスを乱す枝、枯れた枝を間引く程度にします。枝は中間で切ると切り口あたりからの芽吹きが悪く、枯れ込んでしまうこともあるので必ず枝分かれしている付け根の位置で切り落とすようにしましょう。上記の理由から、全体を刈り込むような作業は行いません。枝を切る作業の適期は基本的に冬の休眠期です。
癒合材(ゆごうざい)を用いる
枝の切り口から雑菌が入りやすいので太い枝を切ったときは切り口に必ず癒合剤を塗り保護しましょう。 枝を切る作業の適期は基本的に冬の休眠期です。癒合剤は樹木の枝や幹を切った際、切り口からの雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぐために使用する薬剤で、切り口に塗りつけて使用するいわば「きずぐすり」です。
鉢植えの場合
鉢植えでコンパクトに仕立てる場合は、若木のうちに30~50cmに幹を切り詰めてワキから枝(側枝)を出させるように仕立てます。伸びてきた枝で勢いの強いものは先端を摘み、弱いものはそのまま育てて全体のバランスを整えつつ、余分な枝は切り落とし樹形を作っていきます。枝の先端を摘む作業は6~7月、余分な枝を切り落とす作業は休眠期の冬が適期です。
日当たり・置き場所
日当たりのよい場所を好みますが、半日陰の場所でも充分育ちます。一日中日の当たらない暗い日陰は花付きが悪くなるので適していません。乾燥に弱いので株元に直射日光が当たる場合はしきワラや腐葉土などで覆ってあげましょう。また、葉質が薄く、強い日差しに長時間されされると葉先から枯れ込みやすいので、西日の当たる場所は避けましょう。
やや寒さに弱いので寒冷地では鉢植えで育てる方がよいかも知れません。関東から西(福島県より西)の地域なら特に防寒しなくても屋外で冬越しできます。
水やりと肥料
乾燥に弱いので、地植えも土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。鉢植えも同様に水切れさせないように気を付けます。特に真夏は乾きやすいので注意が必要です。
地植えの場合、順調に育っていたらほとんど肥料は必要ありません。数年育ててやや生育が悪い場合は休眠期の冬に化成肥料と堆肥を株元から少し離した場所に施します。草花が育つ場所ならあまり肥料を与えなくても育ちます。
鉢植えは、春の芽出し前と開花時期の年2回、ゆっくりと効くタイプの化成肥料を株元に施します。
適した土
水はけの良い、腐葉土など有機質をたっぷり含んだ肥えた土が適しています。鉢植えの場合は赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた土を使います。
植え替え・植え付け
地植えの場合、一度植え付けてしまえば植え替える必要はありません。鉢植えの場合、2~3年に1回植え替えを行いましょう。鉢から抜いた株は古い土を1/3ほど落として、古い根を少し切り詰めて新しい用土で植えます。植え替えの適期は3月~4月、植え付けの適期は2月下旬~4月上旬、10月下旬~12月上旬です
ふやし方
さし木、タネまきでふやすことができます。
さし木の適期は6~7月で、その年伸びた枝の先端を適当な長さで切り1時間ほど水に挿して吸水させた後、湿らせた用土に挿して、乾かさないように明るい日陰で管理します。
タネまきは秋に熟したタネを採取してそのまま庭などにまきます。タネをまいた後、3cmほど土をかぶせて腐葉土などで表面を覆って乾かさないように管理します。発芽は翌々年になります。
かかりやすい病害虫
害虫:カミキリムシ(成虫、幼虫)
病害虫はほとんどありませんが、カミキリムシの被害に遭うことがあります。成虫は幹に傷を付けて産卵し、幼虫は木の内部に潜り込んで食害します。幹に穴が空いていて周辺におがくずのようなものがたまっていたらカミキリムシの幼虫(通称:テッポウムシ)の被害の可能性が高いです。被害に遭うと樹勢がおとろえて最悪の場合枯れてしまうこともありますので、見つけ次第薬剤を用いて駆除します。