オトコヨウゾメの育て方

秋に色づく実が美しい

スイカズラ科 「お」からはじまる植物 花木・庭木

オトコヨウゾメ
科名
スイカズラ(レンプクソウ)科
学名
Viburnum phlebotrichun
別名
コネソ
原産地
日本(本州関東以南)~九州
大きさ
2m~3m
主な開花期
5月~6月
耐寒性
ふつう
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

関東~九州の山野に自生する落葉性の低木でガマズミの仲間です。5月頃、白~淡紅色の小さな花が、枝にぶら下がるように数輪ずつまとまって咲きます。花後に長さ1cmほどの扁平なだ円形の果実を付け、秋に赤く熟します。枝にぶら下がるように付く果実の様子はかわいらしいです。

葉は卵形に近いだ円形でフチに粗いギザギザがあります。葉裏の葉脈の上には長い毛が生えており、乾くと黒ずんできます

葉の形や姿は同じスイカズラ科ガマズミ属のコバノガマズミと非常に似ています。コバノガマズミは花や実が垂れ下がらず、葉や若枝に放射状に生える毛(星状毛)をもつなどの特長があり区別できます。 熟すと果実が黄色くなるキミノオトコヨウゾメがあります。

名前の由来

オトコヨウゾメの「ヨウゾメ」はガマズミ類の食用になる果実のことを指します。しかし、なぜ「オトコ」と付くのかはよくわかっていません。果実は苦みが強くそのまま生で食べることはできませんが、果実酒にすることで渋みと酸味の釣り合いがとれるそうです。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

剪定 11月下~3月
植え付け 11月下~3月
肥料 1月~2月

日常の手入れ

自然に樹形が整い、放任でも大きく広がることはあまりないので枝を切る必要はほとんどありません。間延びした枝など、樹形のバランスを悪くする枝がときどき出てくるのでそのような不要枝を切る程度にとどめます。

切る際は、自然樹形に近い形に仕立てるのが基本で、枝分かれしている付け根から切り落とすようにします。こうすると切った箇所も目立たずに樹形を活かすことができます。枝を中途の位置できるとその箇所が非常に目立ち全体の樹形がかえって悪くなるので気をつけましょう。

日当たり・置き場所

半日陰を好み、乾燥する場所を嫌います。日のよく当たる場所でも、極度に乾燥しない適湿を保てる土壌なら問題なく育ちます。日当たりの良い乾燥地、やせ地、暗い日陰では充分育ちません。

水やり・肥料

冬に堆肥や腐葉土を株元にすき混みます。自生のものは広葉樹の落葉が厚く積もる場所でよく育っています。

かかりやすい病害虫

春先から新芽にアブラムシが付くことがあります。

植え付けと用土

植え付けの適期は落葉期の冬です。ただし、厳寒期は株を傷める恐れがあるので、できれば避けます。

腐葉土など腐植質のたっぷり入った湿潤な土壌を好むので、植え付ける際はあらかじめ腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきます。植え付けたあとは苗がぐらつかないように支柱を立てて固定します。植栽適地は本州・四国・九州です。

ふやし方

タネまき、とり木でふやすことができます。

タネまきは秋に熟した果実を採って果肉をきれいに取り除いてすぐにまきます。すぐにまけない場合は、乾燥させないよう貯蔵しておき春に暖かくなってからまきます。タネは乾かしてしまうと発芽率が極端に落ちます。発芽後1-2年の生長はゆっくりですが、成長して根張りが良くなっていくと徐々に生育が良くなります。タネまき後、5年ほどで実を付ける大きさの株になります。

株元から出てくる枝を使ってとり木もできます。枝の根元に盛り土をすると根を出すのである程度根が出てきたのを確認して本体から切り離して植え付けます。

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