- 科名
- スイカズラ(レンプクソウ)科
- 学名
- Viburnum plicatum var. plicatum
- 別名
- テマリバナ テマリカ
- 原産地
- 日本
- 大きさ
- 2m~3m
- 開花期
- 5月~6月
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
高さが2~3mになる低木で、5~6月に球状に密集した花を咲かせます。花は咲き始めが黄緑色で、開くと白色になります。この花は雄しべと雌しべの退化した「装飾花(飾り花)」でタネは付けません。本種は ヤブデマリの両性花(雄しべと雌しべがあり、実を付けることができる花)がすべて装飾花に変化した栽培種とされています。
花のかたまりは直径10cmを超し、まさしくオオデマリ(大手鞠)の名がぴったりです。英名のスノーボールもこの花姿から来ています。花の咲き方や雰囲気がどことなくアジサイに似ています。秋に紅葉して冬は落葉します。
葉は丸に近い卵形で縁にギザギザがあります。葉脈の部分がへこんで、表面にくっきりとした凹凸が出来ます。オオデマリの学名はビバーナム・プリカツム・プリカツムと言いますが、プリカツムとは「プリーツ(ひだ)のある」という意味で、この葉の様子からきています。
緑色→オレンジ色→赤色と徐々に色づいて変化していく様子がたのしいです。葉っぱは暗めの緑色で長さ6cm~10cm、細めの楕円形でフチの部分が細かいギザギザになっています。触ると革質でぶ厚い感じがします。
ある程度樹高低くで収まるので、庭木のほか鉢植えにも適しています。切り花は水の吸い上げが悪いので適しません。 園芸品種に1本の木からピンクと白の花を咲かせるジェミニがあります。春に小さな花を球状に咲かせるコデマリはバラ科の花木でオオデマリとはまた異なる植物です。
その他の仲間
〔〕内は学名、V.はViburnumの略
ヤブデマリ〔V. plicatum var. tomentosum〕
日本(主に温帯~暖帯)、台湾、中国に分布する落葉樹でオオデマリの野生種です。樹高は3m程になります。中心に両性花が固まって付き、その周りをぐるりと囲むように装飾花が付きます。すべてが装飾花になるオオデマリほど花のボリュームはありませんが、ガクアジサイに似たその姿と際立つ白花は素朴の中にも美しさがあります。
テマリカンボク〔V. opulus f. sterile〕
花姿はオオデマリに非常に似ている別種です。オオデマリの葉は卵型で細かいギザギザが入るのに対して、テマリカンボクはカエデのように大きく裂けるので、 両者は葉で簡単に見分けが付きます。園芸品種スノーボールは庭木として普及しています。