スパソグロッティスの育て方
ペアルソニー
- 科名
- ラン科
- 学名
- Spathoglottis
- 別名
- -----
- 原産地
- 熱帯・亜熱帯アジア ニューギニア オーストラリア
- 大きさ
- 30cm~1.5m
- 主な開花期
- 4月~9月
- 耐寒性
- よわい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
熱帯・亜熱帯アジア、ニューギニア、オーストラリアなどに約40種類が分布するランの仲間で、そのうちの半数がニューギニアにあります。株元が卵形やべちゃっとした円錐形にふくらんでバルブ(偽球茎)を形成し、先のとがった薄手の細長い葉を1~数枚付けます。葉の様子は何となく同じラン科のシランに似てます。
開花期は主に春~秋の生育期でバルブの下の方からまっすぐ上に向かって花茎を伸ばし、その先端に数輪~数十輪の花を咲かせます。花茎は30cm~1mに達し、花径は5cm~10cmになります。花色は黄色や淡い紅紫色など種によって様々ですが、往々にして美しいものが多いです。
名前の由来
属名のスパソグロッティスはギリシア語のスパッス(仏炎苞)とグロッタ(舌)からなり、花の一部、唇弁中裂片のかたちに由来します。しかし、この部分(唇弁中裂片)は花びらの一部であって仏炎苞ではなく、このような名前がついた経緯はわかりません。
仏炎苞(ぶつえんほう)
花序を包む大型の苞葉で、サトイモ科に多く見られます。アンスリュームやカラー、スパティフィラムはこの部分があたかも花のように美しく色づき、鑑賞の対象となります。
種類
〔〕内は学名、S.はSpathoglottisの略。以下の2種が、よく知られています。
アッフィニス〔S. affinis〕
アッフィニスはミャンマーからジャワに分布する種で夏に黄色い花を咲かせます。花径は4cm前後で休眠期に落葉します。
プリカタ〔S. plicata〕
和名をコウトウシランといい、東南アジアからニューギニア、日本でも西表島など八重山諸島に自生が見られる分布域の広い種です。花色は藤色や淡い紅紫色ですが、ピンクや白の変種も知られており変異に富みます。花径は3cm前後で十数輪咲き、花茎は1mに達します。開花は不定期、強健種です。
育て方
- ・越冬温度は10℃以上
- ・真夏は日よけする
- ・高温乾燥時、ハダニに注意
●ポイント
栽培カレンダー
主な作業の適期
植え替え | 3月~5月 |
---|---|
肥料 | 春~秋の生育期 |
日当たり・置き場所
一年を通して日に当てて育てます。ただし、真夏に日当たりの良い場所で育てていて葉が黄ばんできたら、日射しが強すぎる可能性があるので、木陰など直射日光の当たらない場所に避難させます。
冬越し温度は最低10℃以上必要です。冬は日当たりの良い室内に置きます。
水やり・肥料
春~秋の生育期は土が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。冬の休眠期(低温期)はさほど水を吸いませんので水やりの回数を控えて、乾かし気味に保ちます。
春の芽が伸びてくる時期に固形の油かすなど、ゆっくり長期間効くものを1回与えます。同時に液体肥料のような速く効くものを月2回~3回、春~秋の生育期間中与えます。
かかりやすい病害虫
高温で乾燥する時期、葉の裏にハダニがつきやすいです。ハダニは植物を弱らせるので見つけ次第駆除します。
植え付けと用土
鉢がいっぱいになり、芽の伸び出るスペースがないようなら植え替えが必要です。あまり深植えにならないよう、新芽の伸びる方向をあけて植え付けます。
用土は水はけのよい土が適しています。小粒の軽石(あるいは日向土)7:ピートモス3の割合で混ぜた土や市販のシンビジュームの培養土が適しています。
ふやし方
大きくなった株は植え替え時に株分けでふやすことができます。
また、葉がなくなった古いバルブを2~3コずつ切り離して水ゴケに植え付けておくと新芽を吹くので、そうやってふやすこともできます(「バックバルブふかし」と言います)。
花後にできた果実が熟した後、中に入っている粉ぼこりのようなタネを親株の周りにまき付けてふやすこともできます。
補足
「バックバルブふかし」「植え替え」については「エビネの育て方」のページに載せられている方法と要領は同じなので、そちらもあわせて参考にしてください。
その他の画像
1.アッフィニス 2.プリカタ 3.弾けた果実(プリカタ)4.葉っぱ(プリカタ) 5.唇弁中裂片
関連する植物
-
エビネ
ラン科 難易度★★☆☆☆
日本を代表する野生ランのひとつです。花色や形が豊富で非常にバラエティーに富む。 -
ファレノプシス(コチョウラン)
ラン科 難易度★★★★☆
よく知られるラン。冬の寒さと、春~秋の直射日光に気をつける。