- 科名
- ブナ科
- 学名
- Quercus acuta
- 別名
- オオガシ オオバガシ
- 原産地
- 日本 朝鮮半島南部 中国 台湾
- 大きさ
- ~20m
- 主な開花期
- ~5月
- 耐寒性
- ややよわい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
〔〕内は学名、Q.はQuercusの略
日本(東北南部以南、四国、九州)、朝鮮半島南部、中国、台湾に分布するドングリのできる常緑樹です。山地に自生します。公園に植えられる他、神社やお寺でも見ます。防風目的の高生垣や屋敷林にされることはありますが、庭木にされることは少ないです。植木と言うより、優れた材木としてよく知られます。
姿形
よく枝分かれして、枝が四方に張って大きく茂ります。樹皮は緑がかった灰色です。若い頃は滑らかで縦に筋が入ります。老木になると、所々樹皮が剥がれてまだらになります。
葉っぱは先端が細く伸びた長楕円形で、長さ7cm~15cmです。濃緑色で表面にツヤがあり、厚みのある革質です。カシの仲間は葉の縁にギザギザが入るタイプが多いですが、アカガシは通常全縁(ギザギザがない)です。まれに上半分がゆるい波形のギザギザになります。若葉は両面に褐色の毛が密生し、その後抜け落ちます。
花は5月頃、若葉が開ききらない頃に咲きます。雄花と雌花が別々の位置に付きます。雄花は新枝の下部からたくさんの花穂をぶら下げ、多数咲きます。雌花は上部の葉腋(葉軸と枝の接点)から直立した枝を出し、5~6コ咲きます。
ドングリは長さ2cmのタマゴ型です。1年間はちいさく、殻斗(お椀の部分)にほとんど隠れた状態です。2年目の夏頃に急速に生長し、秋に熟して茶褐色に色づきます。殻斗はやや深めで、わっか状の段々がつきます。
用途
日本に産する材木の中ではイスノキ〔Distylium racemosum〕などに次いで、トップクラスに堅くて重いです。水に強くて、緻密なところから、木刀やカンナの台、船の材料や山車の車輪などに用いられます。
名前の由来
カシは『堅い木』という意味で、漢字でもそのまま『樫』と書きます。アカは材木の色が赤みがかっているからです。属名のクエルクスは『良質の材木』、種小名のアクタは『鋭形の』という意味です。
育て方
- 日当たりのよい場所でよく育つ
- 若葉はウドンコ病に注意
- どんぐりをまく場合は、乾かさない
●ポイント
栽培カレンダー
適した場所
日当たりが良く、水はけのよい砂質土壌が適しています。暖地向けで、寒冷地には不向きです。植栽適地は本州~九州です。
手入れ
太い枝を切ってもよく芽吹くので、剪定で形を整えることはできます。アラカシ〔Q. glauca〕やシラカシ〔Q. myrsinaefolia〕に比べると、植木としてはあまり利用されません。
ふやし方
ドングリをまいてふやします。乾燥させると発芽率が落ちるので気をつけます。
かかりやすい病害虫
ウドンコ病にかかります。
関連する植物
-
イスノキ
マンサク科 難易度★★☆☆☆
材は緻密で堅く、日本原産の木のなかでは最も重い部類に入ります。建築、器具、楽器、そろばんの玉などに用いられます。心材(中心に近い部分)は黒く、黒檀や紫檀の代用とされます。 -
アラカシ
ブナ科 難易度★☆☆☆☆
カシの木の一種で、ドングリができます。カシ類の中でも耐寒性は最も強くて生長も早く、街路樹や公園樹として広く植えられいます -
ウバメガシ
ブナ科 難易度★★☆☆☆
クヌギやカシの仲間で、ざっくりというとドングリの木のひとつです。丈夫で潮風や排ガスにもよく耐えるので、街路樹のほか、公園にもよく植えられています。 -
シラカシ
ブナ科 難易度★☆☆☆☆
カシの木の一種で、ドングリができます。カシ類の中でも耐寒性は最も強くて生長も早く、街路樹や公園樹として広く植えられいます