様々な種類があるラン

オンシジウムとは

ランの仲間 「お」からはじまる植物

オンシジウム
アロハ・イワナガ
この植物の育て方
科名
ラン科
学名
Oncidium
別名
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原産地
中南米
大きさ
10cm~70cm
開花期
種によって異なる
難易度
種によって異なる

こんな植物です

およそ400種が中南米の熱帯・亜熱帯地域に広く分布するランの仲間です。自生する環境は低地~標高3500mの高地と種によって様々で、姿形も変化に富みます。大半は樹上に根を張り付かせて生活しますが、まれに地面に根を下ろす種もあります。草姿・大きさ・花姿・開花時期・性質などは「種によって様々」 で、園芸的にも初心者向きから経験者向きまであります。

近年は分類体系が大きく見直されており、一部の種はオンシジウム属から分離されて新たに設けられたサイコプシス属やトリコセントラム属などに分類されています。また、他の属がオンシジウム属に統合されるなど入れ替えが激しいです。 オンシジウムに近い属に、ブラッシアミルトニアオドントグロッサム、イオノプシス、アダ、コクリオダなどがあり、それらと掛け合わせた属間交配種もたくさんあります。

名前の由来

名前はギリシア語のオンキディオン(onkidion:小さなこぶ)にちなみ、花の一部に小さな突起があることに由来します。

こぶ
ちいさな「こぶ」がある

系統

オンシジウムの各系統

草姿からおおまかに「薄葉系」「剣葉系」「棒状葉系」「厚葉系」の4タイプに分けられます。黄色を基調とし、赤褐色の模様が入る花が多いですが、黄色の単色、白やピンク、赤褐色などもあります。近縁属と掛け合わせたもの(属間交配種)は、さらにカラフルでバラエティーに富みます。

前述のように、現在は属が分けられているものも多いのでこの分け方は適切ではないかもしれませんが、オンシジウム・グループとして、わかりやすいので一例としてあげます。

薄葉系

最もポピュラーでオンシジウムの代名詞とも言えるタイプです。株元の茎が肥大し、その先端に1-2枚の薄い葉を付けます。鉢花や切り花に利用される種も多く、用途は広いです。花色は黄色のものが多く、たくさんの花が群れるように咲きます。

剣葉系

葉は肉厚で先端が尖り、刀身のような形になります。茎は肥らず、肉厚の葉を左右交互に出して上に伸びていきます。花色はカラフルで、小型のものが多いです。多くの種はトルムニア(Tolumnia)属に分離されています。

棒状葉系

茎はあまり肥大せず、棒状の肉厚な葉を付けます。多くはトリコセントラム(Trichocentrum)属に分けれています。

厚葉系

茎が肥大し、その先端に非常に分厚い葉を1枚直立させます。現在はサイコプシス(Psychopsis)属に分類されているものが多いです。


種類

アロハ・イワナガ〔Onc. Aloha Iwanaga〕

掛け合わせてつくられた品種(交配種)。丈夫で育てやすく、鉢花としてもひろく普及しています。鮮やかな黄色い花色が人目を惹きます。

ククー〔Onc. Kukoo〕

交配種。草丈10cmほどの小型種で、花は黄色の単色です。

クラメリアヌム〔Onc. kramerianum〕

コスタリカ、パナマ、エクアドルなどに分布する野生種(原種)。花茎を1m近く伸ばし、その先端に1輪の花を咲かせます。花が枯れたら又新しい花が一輪咲く、といった風に一本の花茎で数年に渡り、花を一輪ずつ咲かせ続けます。オンシジウム属ではなく、サイコプシス属に分類することもあります。

シャリーベイビー’スイートフラグランス’〔Onc. Sharry Baby 'Sweet Fragrance'〕

交配種。花はチョコレートのような甘い香りを放ちます。

オブリザツム〔Onc. obryzatum〕

コスタリカ、パナマ、コロンビアなどに分布する原種。1cmほどの黄色い花が群れるようにたくさん咲きます。

パピリオ 〔Onc. papilio〕

コロンビア、ギアナ、ブラジルなどに分布する原種。上記、クラメリアヌムにそっくりです。サイコプシス属に分類することもあります。

スファケラツム〔Onc. sphacelatum〕

メキシコ、エルサルバドルに分布する原種。花茎は細かく枝分かれして1-2mに達し、径3cmほどの花を多数咲かせます。

ケイロフォルム〔Onc. cheirophorum〕

コロンビア、パナマに分布する原種。草丈20cmほどで、約1.5cmの黄色い花を咲かせます。

スプレンディドゥム〔Onc. splendidum〕

グアテマラ、ホンジュラスに分布する厚葉系の原種。トリコセントラム属に分類されることもある。

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