落ち着いた花色・花姿の野草
ワレモコウ
科名:バラ科学名:Sanguisorba officinalis原産地:日本 朝鮮半島 中国 シベリア ヨーロッパ草丈:70cm-1m開花期:7月~10月栽培難易度:
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ワレモコウとは
日本の山野でごく普通に見られる植物で、冬は地上部が枯れて根の状態で越し春に再び芽を出して生長する多年草です。夏から秋にかけて茎の先端に小花がたくさん集まって卵形を成した花穂を付けます。花は渋い赤色、花びらに見える部分は萼(がく)で花びらは退化しています。
小花を穂状に付ける植物の場合、下から先端へ向かって咲き進むものが多いですが、ワレモコウの場合先端から下に向かって咲き進んでいき、このような咲き方を「有限花序(ゆうげんかじょ)」といいます。草丈は70cm-1m、葉はだ円形でフチにはギザギザがあります。
根は太くてタンニンを多く含んでおり、漢方では止血薬などに用いられます。また、若葉は湯がいてアクを抜けば食用になります。
漢字では「吾亦紅」「吾木香」「我毛紅」などの字が当てられますが語源は諸説ありはっきりしません。 属名のサングリソルバは「血を吸う」という意味で、この属の植物が持つ止血効果に由来します。種小名のオフィシナリスは「薬用の」という意です。
種類・仲間
園芸では草丈が20cmほどにしかならない小型のヤクシマワレモコウや韓国済州島原産のタンナワレモコウがよく栽培され、和テイストの野草寄せ植えなどにも用いられます。
同じ属の植物で若葉をそのまま生で食べることのできるサラダバーネット(オランダワレモコウ)〔S. minor〕や長いピンク色の花穂が美しいカライトソウ〔S. hakusanensis〕などがよく知られています。オランダワレモコウとカライトソウの雑種もあり、白馬八方尾根特産の雑種なのでハッポウワレモコウと呼ばれます。
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