- 科名
- バラ科
- 学名
- Pseudocydonia sinensis
- 別名
- カラナシ カリントウ アンランジュ キイボケ
- 原産地
- 中国
- 大きさ
- 高さ6m~8m
- 開花期
- 4月~5月 (果熟期:9月~10月)
- 難易度
- ★★☆☆☆(そだてやすい)
こんな植物です
中国原産の落葉樹で、日本にはそれなりに古い時代に入ってきたようです。花や幹は鑑賞価値が高く、果実は薬用や香りを楽しむなど実用的価値の高い樹木です。身近なところでは、のど飴でよく知られています。鉢植え、地植えの他、盆栽にも仕立てられます。
葉の形は卵形か丸に近いだ円形でフチは細かいけれど尖ったギザギザになっています。 木が成長していくと樹皮がところどころウロコ状に剥がれ落ちてなめらかな黄褐色の木肌があらわになり、またその姿も美しいです。
4~5月、新しく伸びた枝の先端に直径3cmほど紅花色の花を咲かせ、その後果実が実ります。果実は形や大きさに個体差やばらつきが見られますが円形~楕円形で長さは10~15cmほどに生長し、10月~11月に黄色く熟します。熟した果実は表面がちょっとオイリー(?)にべたつき、芳香を放ちます。庭先などでもよく見る木ですが、黄色く熟した果実がごろんごろんと実った樹姿はなかなか人目を惹きます。
果実は固くて渋いのでそのまま生で食べることはありませんが、咳止めの民間薬として焼酎に漬け込んで「カリン酒」にしたり砂糖や蜂蜜漬けにして利用します。中国では古くから薬用はもとより、衣類に香りを付けたり、室内に置いて芳香を楽しんだりと果実が広く用いられてきました。
同じ科のマルメロ〔Cydonia oblonga〕はカリンとそっくりな果実を付けますが、別属の植物です。また、一般的にカリンと呼ばれている材木は、マメ科の高木で本種とは全く違う植物です。
属名のプセウドキドニアは「ニセのマルメロ(属)」という意味で、マルメロと似てるところから付いた名前です。
カリンとマルメロの主な違い
〔〕内は学名
同じ科のマルメロ〔Cydonia oblonga〕はカリンとそっくりな果実を付けますが、別属の植物です。また、一般的にカリンと呼ばれている材木は、マメ科の高木で本種とは全く違う植物です。
葉っぱ
カリン…縁に細かいギザギザ
マルメロ…縁は滑らか
花の色
カリン…淡い紅色
マルメロ…白~ごく薄い紅色
果実
カリン…無毛で円形~だ円形
マルメロ…表面に細かい毛、洋なし型~円形
分類
カリン…バラ科プセウドキドニア属
マルメロ…バラ科キドニア属